業績推移
業績の推移(百万円)

売上高 営業利益 % 経常利益 % 当期利益 % 一株利益 一株配当
財務
財務・CF(百万円)  2020/03/31
総資産 6,323 営業CF 634
純資産 4,528 投資CF -22
自己資本比率 0.7 % 財務CF -173
資本金 491 現金等 2,693
四半期推移表
四半期 1Q 2Q 3Q 4Q
前期 今期 前期 今期 前期 今期 前期 今期
累計 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 会社予想
前期 今期 前期 今期 前期 今期 前期 今期 今期
リンクボタン
トピックス
リスク・対策
2 【事業等のリスク】

現時点で、当社の事業展開上その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しています。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。

(1) 新型コロナウイルスの感染拡大について

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は外出自粛による個人消費の減少や経済活動の停滞をもたらしています。当社の事業におきましても、対面方式の営業活動の難しさによる新規案件獲得の遅延や顧客の業績悪化に伴うit投資抑制が発生することが予想されます。一方で顧客のテレワーク環境、bcp対策によるインフラ整備投資の増加に加え、クラウド化、デジタル化をトリガーとするdxが加速することが期待されます。

このような状況下において、当社では、顧客産業ポートフォリオにおける市場の変化を的確に捉え、デジタル化の需要供給バランスにスピード感をもって対応することにより、この未曽有の難局を乗り越え、収益の維持、拡大に努めて参ります。しかし、今後、第2波、第3波の感染拡大の影響を含めた経済活動の見通しは依然として不透明であり、その動向によっては、当社の事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 品質管理について

当社の主要な事業は、セグメント別ではシステム開発及びインフラサービスです。それぞれ、受注時に書面を取り交わし、顧客の要求・仕様を明確にしたうえで、業務を実行し、業務完了時には必ず顧客担当者に納品内容又は作業内容の確認をお願いし、検収・承認を受けています。

当社の納品内容及び作業内容に問題がある場合には、顧客と締結した瑕疵担保条項に基づき補修作業を行います。当社では、ソフトウェア開発プロセスの世界標準であるcmmi(※1)を当社用にカスタマイズした運用モデル「squall」、システム運用管理の世界標準であるitil(※2)の仕組みに基づく品質管理体制の強化に努めています。

当社では、経営会議の専門委員会として重要プロジェクトレビュー会議の設置とともに、2019年度からは不採算案件防止のためのガバナンス組織である「プロジェクト監理室」とプロジェクトの品質を精査する「itセンター技術推進グループqa(quality assurance)チーム」を統合し、プロジェクト管理と開発手法に強い技術管理者を加えて、「プロジェクト統括部」として改組し、プロジェクト管理体制を更に強化しました。

こうした対策の中にあっても、当社が原因で納品物にバグが生じたり、作業内容が顧客要求と相違がある場合、補修作業に伴う費用の増加により当社業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(3) セキュリティについて

2005年4月より個人情報保護法が施行されています。当社においては業務の中で個人情報の取り扱いがありますので、個人情報保護法施行前の2001年9月にプライバシーマークの認証を取得し、2019年9月には第9回目の更新審査に合格しています。

加えて、個人情報を含めた様々な情報保護の仕組みを社内に構築するために、isms(※3)の認証を取得しました。2007年3月のiso/iec27001への移行審査にも合格し、直近では2018年3月の更新審査に合格しています。なお、認証取得業務は以下のとおりです。

・ネットワーク及びサーバのリモート監視サービス

(プラットフォームソリューション事業部クラウド運用サービス部)

・ホスティングサービス及びシステム開発

(プラットフォームソリューション事業部クラウド運用サービス部)

・社内システムのネットワーク及びサーバの運用(dx推進部情報システム課)

上記の情報セキュリティマネジメントシステムを全社で活用するため、毎月委員会形式で部門長がセキュリティ活動の状況を報告し、レビューする「統合セキュリティ」の仕組みを展開しています。当社は今後も引き続き情報保護の強化に取り組んでいきます。しかしながら、万一情報漏洩などの問題が発生した場合には、顧客から取引停止、あるいは損害賠償の請求などが行われることも危惧されます。このような場合には、当社の事業展開や業績に悪影響を与える可能性があります。

 

 

(4) 最新技術への対応について

it技術分野は技術の多様化と進展が著しいという特徴を有しています。当社では、顧客企業から将来の需要動向を学び、国内外のit業界から最新の要素技術動向を収集しながら、中長期的に取り組む技術を戦略的に選択し、それらを組み合わせて活用しています。そのため、将来取り組む技術を検討する技術戦略会議を設けると同時に技術開発組織を強化しています。

2019年度よりデジタルトランスフォーメーション(dx)を推進するための組織としてデジタル社会に必要な新技術開発を担当する「it value-up事業部 新技術開発準備グループ」と事業部への技術支援と当社のit化を担当する「itセンター」を統合し、「dxセンター(現 dx推進部)」として改組し、全社としてのdx推進を加速することとしました。また、当社のみでは対応しきれない技術については、業務提携先企業や協力先企業の技術をオープンイノベーション的な考えで有効活用していきます。

当社としましては、これからも最新技術力への需要と供給のバランスを戦略的に図って取り組むことに努めますが、当社の想定とは異なる技術への需要が急激に高まり、当社や協力会社の供給体制が追い付かないケースが発生した場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に悪影響を与えるリスクがあります。

 

(5) 人材の確保について

当社の事業活動の根幹をなすシステム開発事業、インフラサービス事業は、共に多くの先端技術に深く関連しており、また、その技術革新の進展は著しいという特徴を有しています。このような環境のもと、事業のさらなる発展のためには豊富な専門知識と高度なスキルを有する人材を確保することが重要になっています。

新卒者、経験者を問わず積極的な採用活動を展開するとともに、高度なit技術を有する社員に対する社内認定制度“qcap”等の人事制度の運用や技術者が自分に適したitプロフェッショナル・キャリアコースを選択し成長できる環境の整備等、社員がその能力を十分に発揮し成長するための教育投資を計画的かつ継続的に行っています。

また、情報サービス産業においては、外部企業の人的、技術的リソースを利用して顧客の要請に対応し、売上の拡大を図ることがありますが、当社においてもリソース不足を補完するため、業務の一部を国内外の協力会社に外部委託あるいは要員の派遣を受け入れています。これら協力会社から優秀な人材の安定的な提供を受けるため、継続的なコミュニケーションを通じて、常に良好な取引関係の維持向上に注力しています。

しかしながら、現在の情報サービス産業においては人材の獲得競争が激化しており、優秀な人材の確保、育成、調達が計画通りに進まない場合には、事業の発展拡大に制約を受け、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

※1.cmmi:ソフトウェアプロセス成熟度モデル「capability maturity model integrated」

米国カーネギーメロン大学により体系化されたソフトウェア開発能力向上のプロセス改善を行う際の指標。ソフトウェアプロセス改善のあるべき姿を5段階に分類して示し、その組織の成熟度を評価するモデル。現在、iso9001よりも高度な国際標準として注目を集めています。

※2.itil:「information technology infrastructure library」

英国商務局(ogc:office of government commerce)が、itサービス管理、運用管理を実行するうえでの業務プロセスと手法を体系的に標準化したガイドライン。itilは運用管理、itサービスマネジメントの国際標準として注目を集め、世界各国で導入が進んでいます。

※3.isms:情報セキュリティマネジメントシステム「information security management system」

組織の個別問題ごとの技術対策のほかに、組織のマネジメントとして、自らのリスク評価により必要なセキュリティレベルを決め、プランを持ち、資源配分して情報保護システムを運用することです。

 

経営指標の推移
(1) 連結経営指標等

 

回次

第52期

第53期

第54期

第55期

第56期

決算年月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

売上高

(千円)

8,134,763

8,191,380

経常利益

(千円)

376,064

395,616

親会社株主に帰属する当期純利益

(千円)

238,059

280,553

包括利益

(千円)

74,569

475,606

純資産額

(千円)

3,779,215

4,099,775

総資産額

(千円)

5,011,123

5,412,328

1株当たり純資産額

(円)

731.19

793.21

1株当たり当期純利益

(円)

46.06

54.28

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

75.4

75.7

自己資本利益率

(%)

6.2

7.1

株価収益率

(倍)

17.3

15.2

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

229,828

△132,741

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

192,141

95,428

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

△181,027

△155,248

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

2,255,665

2,061,088

従業員数

(人)

708

711

 

(注) 1.売上高には、消費税等は含んでいません。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在していないため記載していません。

3.第54期より連結財務諸表を作成していないため、第54期、第55期及び第56期の連結会計年度に係る主要な経営指標等については記載していません。

4.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第55期の期首から適用しており、第53期以前に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等になっています。

 

事業内容 / ビジネスモデル

 

3 【事業の内容】

当社は、情報サービスを主たる事業とし、情報システムに係るコンサルティングから、業務システムの開発と保守及びitインフラの構築と運用管理に至る一貫したサービスを提供しています。

当社の事業内容を、セグメント別に表すと以下のとおりです。

 

(1) システム開発

エレクトロニクス、金融、情報通信、エンタテインメント、公共(エネルギー、鉄道)、自動車、ヘルスケアの業種の顧客に対して、erp、crm、rpa、ビッグデータ分析等のソリューション及び業務システムのコンサルティングから要件定義、設計、開発、保守に至る一連のシステム開発サービスを提供しています。

 

(2) インフラサービス

クラウド、ネットワーク、セキュリティ、iotに関するitインフラソリューションから設計、構築、保守、運用に至る一連のインフラサービスを提供しています。

 

(3) その他

受託計算、仕入商品販売業務などを行っています。

 

(注) 「その他」としたセグメントに関しては、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)及び「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)適用の報告セグメントには含まれない事業セグメントとなっています。

 

事業の系統図は次のとおりです。

 

 

決算(通期)
【第56期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)】

・iot、ai等のデジタル技術を活用した生産工程や流通工程のデジタル化により、生産や流通の自動化、バーチャル化を大幅に高めることで、生産コストと流通コストを極小化し、生産性を向上させ、スマートファクトリー、デジタルツインを実現し、インダストリー4.0へ進化。

・製造装置からビッグデータを収集し、ai(機械学習、深層学習)によるデータ分析を活用し、歩留解析、欠陥解析を改善。

・製品にiot機能を備えることにより、「モノづくり」から「コトづくり」へ変革。

 ② 金融業界

・収益環境の急激な悪化とフィンテック企業との競合を受けて、収益源の新規サービス開拓やサービスの高度化、店舗ネットワークの見直し等の業務効率の改善が進められており、特に、スマホ決済、キャッシュレス化等の手軽で便利なサービスが進行。

決算(直近四半期)
【第57期第2四半期(自 2020年7月1日 至 2020年9月30日)】

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものです。

 

(1) 経営成績

当第2四半期累計期間(2020年4月1日~2020年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による休業要請や外出自粛の影響により企業業績の悪化や個人消費の落ち込みなど、極めて厳しい状況にありました。gotoキャンペーンをはじめとした各種経済対策が行われていますが、今後の経済の回復についても予測が極めて困難な状況となっています。

当社の属する情報サービス業界においては、経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査2020年8月分確報」の情報サービス業の項の中から、当社が主に属する「受注ソフトウエア」と「システム等管理運営受託」を合算した業務種類別売上によると、2020年4月~6月(累計)は前年同月比2.9%の減少、2020年4月~8月(累計)においても前年同期比2.9%の減少となり、今後も新型コロナウイルスの影響を強く受けるものと予想されます。

このような状況の下、現状の新型コロナウイルスの感染拡大、長期化の状況を鑑み、全ての取引先様と従業員の健康と安全が最優先と考え、ニューノーマルな時代に向けた働き方を推進しながら事業環境の整備、最適化にチャレンジしていきます。

 

当第2四半期累計期間における当社の経営成績は以下のとおりです。

売上高は、前年同期比6.8%増の52億77百万円となりました。利益については、増収効果により営業利益は前年同期比4.7%増の3億79百万円、経常利益は前年同期比5.4%増の3億98百万円、四半期純利益は前年同期比4.6%増の2億73百万円となりました。

 

セグメント別の経営成績は以下のとおりです。

システム開発事業については、エレクトロニクス分野顧客、エンタテインメント分野顧客、金融分野顧客からの開発案件の増加及びデジタルワークプレイス、rpa、erp等のソリューションが拡大し、売上高は前年同期比6.8%増の28億69百万円となりました。セグメント利益は増収効果により前年同期比5.6%増の4億90百万円となりました。

インフラサービス事業については、エレクトロニクス分野顧客、金融分野顧客、公共分野顧客へのクラウドサービスやセキュリティサービス等が拡大し、売上高は前年同期比6.8%増の23億92百万円となりました。セグメント利益は増収効果及び業務改善活動等により前年同期比11.7%増の4億9百万円となりました。

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。

2.セグメント利益については、全社費用等の配分前で記載しています。

 

(2) 財政状態

<資産>

当第2四半期会計期間末における資産の残高は66億31百万円となり、前事業年度末に比べ3億8百万円増加しました。これは主に繰延税金資産が2億2百万円減少したものの投資有価証券が6億23百万円増加したこと等によるものです。

<負債>

当第2四半期会計期間末における負債の残高は16億37百万円となり、前事業年度末に比べ1億56百万円減少しました。これは主に賞与引当金が85百万円減少したこと及び未払消費税等が62百万円減少したこと等によるものです。

 

<純資産>

当第2四半期会計期間末における純資産の残高は49億94百万円となり、前事業年度末に比べ4億65百万円増加しました。これは主に繰越利益剰余金が92百万円増加したこと及びその他有価証券評価差額金が3億63百万円増加したことによるものです。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性については、当社の運転資金の需要は、人件費や外注費等の営業費用によるものがその多くを占めていますが、これらの運転資金の需要は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー等によりまかなっています。当第2四半期会計期間末における資金は、資産合計の40.7%を占めており、また流動比率は364.5%であることから、十分な流動性を確保しています。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の四半期末残高は26億99百万円となり、前年同四半期末と比較し、2億98百万円増加しました。

当第2四半期会計期間末における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

営業活動の結果、2億93百万円の収入(前年同四半期は3億22百万円の収入)となりました。これは主に売上債権が1億39百万円減少したこと等によるものです。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

投資活動の結果、1億5百万円の支出(前年同四半期は3百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出が1億円あったこと等によるものです。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

財務活動の結果、1億81百万円の支出(前年同四半期は1億71百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払等によるものです。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

今後、新型コロナウイルス感染の波はワクチンが普及する来年の夏まで繰り返し押し寄せる恐れがあり、先行き不透明な経済が続く中、テレワークやオンラインによる診療、授業など、大きな変革が世界的に起こっています。デジタル先進国に遅れをとった日本は新政権発足とともに「デジタル庁」を創設し、行政サービスのオンライン化や規制緩和に急速に取り組もうとしています。また、コロナ感染防止策をきっかけに、これまで国策として取り組んできたsociety 5.0と呼ばれるデジタルトランスフォーメーション(dx)は前倒しで加速することが社会的に求められています。

当社の顧客企業における環境認識としては、エレクトロニクス業界では、米中貿易摩擦によるグローバルサプライチェーンの再編が行われるとともに、iot、cps(cyber-physical system)、aiを活用し、顧客からサプライヤーに至るバリューチェーン全体(サービス~製造~流通)をデジタル化しようとしています。金融業界では、地方銀行の再編が進むと同時に、業界全体としても店舗ネットワークの見直し等の業務効率化、収益源となる新規サービス開拓、fintechによるサービスの高度化支援やスマホ決済、キャッシュレス化等の手軽で便利なサービスが拡大しています。エンタテインメント業界では、コロナ禍での集客イベントへの影響が深刻である一方、ネットによるコンテンツ配信が拡がりを見せており、今後さらに顧客の嗜好やライフスタイルに合ったアーティストの作品に出合い、感動を共有するデジタルプラットフォームが拡大するものと思われます。エネルギー業界では、新政府が表明した温暖化ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を受け、「5つのd」と呼ばれる、人口減少・過疎化(depopulation)、脱炭素化(decarbonization)、分散化(decentralization)、自由化(deregulation)、デジタル化・iot(digitalization)による業界再編が加速していきます。自動車などの移動体業界では、コロナによる打撃を大きく受けながらも、maas(mobility as a service)の考え方による移動手段のあり方の再定義とともにcase(connected、autonomous、shared、electric)の導入により100年に一度と言われる変革が進んでいます。ヘルスケア業界では、コロナ禍のオンライン診療に加えて、人生100年時代において健康寿命を延ばし増加する医療・介護費用を抑制するため、デジタル化による予防・診断、健康作り、ゲノム医療など、個人に寄り添ったヘルスケアが期待されています。

 

 

当社は、こうした環境の変化を新たな成長のチャンスと捉え、経営理念である「技術を探究し、価値を創造し、お客様とともに成長する」に則り、ビジョンとして、「お客様とともにitの価値を高める信頼のパートナー」を掲げています。2020年度からスタートする中期3ヵ年計画としては、以下の4つの重点施策に取り組みます。

 ① 事業構造の変革

より付加価値の高いサービスを提供すべく、事業構造を変革していきます。基本的な考え方は、成果型かつストック型のクラウドソリューションを拡大していきます。

 1) アプリケーションソリューションの拡大

erp、scm、crm、rpa、iot、ビッグデータ分析、ai等のプラットフォームをベースとして、顧客体験をモデル化したクラウド型の共通業務ソリューションを拡大していきます。

 2) インフラソリューションの拡大

顧客のプライベートデータセンターから複数のパブリッククラウドまで、インフラ運用管理を顧客視点で一括してアウトソーシングできるハイブリッド型及びクラウド型統合運用サービスを拡大していきます。また、シリコンバレー等の最先端のセキュリティプロダクトと顧客体験をモデル化した当社の運用サービスを組み合わせたセキュリティソリューションを拡大していきます。

2020年度より商品企画開発のための全社横断的組織体制として、商品企画開発準備室を新設しました。事業部のソリューションプロデューサー、商品のアイデアを持つクリエイター、新技術開発者、マーケターと少数精鋭の商品企画開発チームを作り、デザイン思考で商品企画開発を行います。

 ② 産業ポートフォリオの変革

顧客体験によるノウハウを集約すべく、itとの相乗効果が高い産業セグメントであるエレクトロニクス、金融、情報通信、エンタテインメント、公共(エネルギー、鉄道)、自動車、ヘルスケアの7種類にフォーカスしています。また、複雑で不確実、不安定な時代において市場環境変化のリスクを分散すべく、これらの産業セグメントの中で外需と内需向けの事業バランスを図っています。

さらにコロナ禍では顧客の置かれている事業環境により、顧客のit投資に対してプラスにもマイナスにも影響を及ぼしています。このような状況下で人的、経済的経営リソースを適切に配分し、市場環境変化のリスクの分散を迅速に図っていきます。

 ③ 事業体質の強化

事業の営みをデジタルデータとして蓄積し、試行錯誤から学習し、成長し、企業の遺伝子として未来に伝え、進化し続けるデジタルカンパニーを目指し、その基盤となる企業osに位置付けられるインフラを将来に向けて整備していきます。

また、技術者がやりがいを持って高度の技術力を発揮し、お客様とともに成長するチームと風土を醸成しています。そのために、次世代を担う人材の採用、人事制度を強化していくとともに、技術者が自分に合ったitプロフェッショナル・キャリアコース(itスペシャリスト、itアーキテクト、顧客サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、コンサルタント、ビジネスインキュベーター)を選択し成長できる環境を整備し、プロを極めていきます。

 ④ 成長するデジタルネットワーク社会に不可欠な新技術の仕込み

ソリューションの付加価値を高めるための技術の仕込みと技術者育成に、売上の2%の投資を継続します。同時に、中長期戦略上必要と考えるソリューション及び技術を補完すべく、業務提携や資本提携を進めていきます。

 

当社は中長期的に企業価値を高めるとともに、株主の皆様に対する安定的な利益還元を経営の重要課題と位置づけ、業績の伸張に合わせて、将来の技術獲得、人材確保、不測の事態への備えに充分な内部留保を確保するとともに積極的な利益配分を行っていきます。剰余金配当の基本方針としては、安定的な利益還元の観点からdoe(純資産配当率)5%、資本効率につきましてはroe(自己資本利益率)10%以上を目指しています。

当社は創業以来、株主様、お客様、社員、パートナー様、社会等、全てのステークホルダーに対して常に誠実堅実であることを経営方針としています。今後もcgcとesg経営を重視し、透明性の高い経営を継続し、itによる社会課題の解決、さらに一層の企業価値の向上と持続的成長のために邁進していきます。

 

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

当第2四半期累計期間において、特記すべき研究開発活動はありません。

 

経営方針

当社では、企業の礎である経営理念、経営方針及び経営ビジョンを以下のとおり設定し公表しています。

(経営理念)

技術を探究し、価値を創造し、お客様とともに成長する。

 ① たゆまぬ技術の探究

誠意・熱意あるプロフェッショナルとして情報技術を探究します。

 ② 価値の創造

優れた技術で新たな価値を創造し、社会の発展に貢献します。

 ③ お客様とともに

夢のある未来に向けてお客様とともに成長し続けます。

(経営方針)

 ① 技術重視

社員一人一人が技術と品質にこだわり、itプロフェッショナル集団を目指します。

 ② 人材育成

社員がチャレンジし自己実現できる環境と、自律の精神をはぐくむ企業文化を構築します。

 ③ 顧客志向

お客様の信頼に応える価値ある情報システムサービス、ソリューションを提供していきます。

 ④ 株主尊重

企業としての社会的責任を果たすことにより健全で持続的な成長を図り、中長期的な企業価値の向上に努めます。

 ⑤ 誠実・堅実

誠実・堅実であることでお客様、パートナー企業、社員、株主などのステークホルダーから信頼される会社であり続けます。

 ⑥ 企業倫理・法令遵守

企業倫理・法令遵守(コンプライアンス)を最優先し、公平で透明な経営を行います。

(経営ビジョン)

お客様とともにitの価値を高める信頼のパートナー

戦略

当社は、事業の発展を通じて企業価値を安定的に成長させていくことを目標とし、毎期ローリングにて3ヶ年中期経営計画を策定し、売上高、経常利益率、roeの目標達成を目指しています。

2019年5月21日に公表した「2019-2021年度・中期経営計画」において、2021年度に売上高110億円、経常利益率6.7%、roe10.0%を経営数値目標として掲げておりました。

その初年度である当事業年度は、売上高目標100億円に対し103億14百万円、経常利益率目標6.0%に対し7.5%、roe目標9.0%に対し7.7%となり、おおむね目標を達成することができました。

この結果を踏まえ、「2020-2022年度・中期経営計画」を策定し、2022年度に売上高116億円、経常利益率7.5%、roe10%以上を経営数値目標として掲げ、その達成に全力を注いでまいります。

沿革

 

2 【沿革】

 

年月

概要

1965年5月

データエントリー業務受託を目的として、横浜市中区に株式会社京浜計算センターを資本金200万円にて設立し、東京都中央区にて営業開始。日産火災海上保険株式会社(現 損害保険ジャパン株式会社)、東京芝浦電気株式会社(現 株式会社東芝)、三井信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)との取引開始。

1967年2月

東京都中央区に本社を移転。

1967年12月

システム運用管理業務開始。

1969年3月

データエントリー業務につき、ソニー株式会社との取引開始。

1970年9月

汎用コンピュータによるソフトウェア開発事業を開始。

1978年12月

データエントリー業務受託を目的として東京都中央区に株式会社データ・処理センターを設立。

1980年4月

東京都港区芝に本社を移転。

1985年7月

データエントリー業務につき、アルプス電気株式会社との取引開始。

1988年2月

システム運用管理業務につき、ソニーシステムデザイン株式会社(現 ソニーグローバルソリューションズ株式会社)との取引開始。

1988年4月

商号を株式会社クエストに変更。

1993年7月

オープンシステムによるソフトウェア開発事業を開始。

1997年1月

大分県大分市に九州事業所を開設。

1998年3月

名古屋市中区に名古屋営業所(現 中部支社)を開設。

2001年9月

プライバシーマークの認証を取得。

2002年10月

jasdaq市場に株式上場。

2003年3月

情報セキュリティマネジメントシステム(isms)認証を取得。

2003年11月

東京都港区芝浦に本社を移転。

2004年8月

株式会社アイポックを買収により子会社化。(後に株式会社オプティスへ社名変更)

2006年4月

インドソフトウェア開発拠点「optis information services india pvt. ltd.」インド人it技術者に対する日本語教育機関「navis nihongo training centre pvt. ltd.」を連結子会社化。

2007年8月

株式会社ドラフト・インを子会社化。同年10月データエントリー事業を同社に譲渡。

2007年10月

中国での日系進出企業へのitサービスの提供を目的として慧徳科技(大連)有限公司を設立。

2009年3月

オプティスグループ(株式会社オプティス、optis information services india pvt. ltd.及び navis nihongo training centre pvt. ltd.)の3社をmboにより譲渡。

2010年4月

ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所jasdaq市場に上場。

2013年7月

大阪証券取引所と東京証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所jasdaq(スタンダード)に上場。

2014年3月

株式会社データ・処理センター解散。

2015年9月

スペース・ソルバ株式会社と業務・資本提携。

2016年6月

慧徳科技(大連)有限公司をmboにより譲渡。

2017年10月

株式会社ドラフト・インを吸収合併。

 

 

配当政策
3 【配当政策】

当社は株主のための企業という経営スタンスを従来より堅持するとともに、株主の皆様に対する安定的な利益還元の実施を経営の重要課題と位置付けています。当社は業績の伸張に合わせて内部留保を確保するとともに、積極的な利益配分を行っていきます。

当社は、期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としています。

これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会です。なお、当社は「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことが出来る。」旨を定款に定めています。

当社の剰余金配当等の方針は、配当性向のみの指標では、当該期の利益金額により変化することから、安定的利益還元を示す純資産配当率(doe)を指標として採用し、株主様への利益還元方針をより明確にすることとしています。

内部留保資金については、財務体質の強化、今後成長が見込める事業分野への投資などに活用していきます。

これらの方針に基づき、当期の期末配当金については、1株当たり35円となりました。

以上の結果、当期のdoeは4.1%となりました。当社といたしましては、doe5.0%を目指して日々の業務に取り組みます。

当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりです。

 

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2020年6月18日

定時株主総会決議

181,193

35

 

 

株式の状況
② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在発行数(株)(2020年3月31日)

提出日現在発行数(株)(2020年6月19日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

5,487,768

5,487,768

東京証券取引所jasdaq(スタンダード)

単元株式数100株

5,487,768

5,487,768

 

 

 

(5) 【所有者別状況】

 

(2020年3月31日現在)

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

3

16

20

14

1

1,915

1,969

所有株式数(単元)

927

490

14,347

239

45

38,374

54,422

45,568

所有株式数の割合(%)

1.70

0.90

26.36

0.43

0.08

70.51

100.00

 

(注) 1.自己株式310,800株は「個人その他」に3,108単元を含めて記載しています。

2.「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ1単元及び1株含まれています。

 

(6) 【大株主の状況】

(2020年3月31日現在)

氏名又は名称

住所

所有株式数(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

内田 廣

神奈川県横浜市金沢区

837,410

16.17

有限会社内田産業開発

神奈川県横浜市金沢区富岡西四丁目66番11号

446,102

8.61

クエスト従業員持株会

東京都港区芝浦一丁目12番3号

359,890

6.95

花輪 祐二

東京都大田区

293,415

5.66

scsk株式会社

東京都江東区豊洲三丁目2番20号

268,710

5.19

株式会社ユニリタ

東京都港区港南二丁目15番1号

265,000

5.11

株式会社スカラ

東京都渋谷区渋谷二丁目21番1号

254,000

4.90

有限会社福田商事

富山県小矢部市上野本52番7号

165,000

3.18

内田 マサ子

神奈川県横浜市金沢区

150,000

2.89

内田 久恵

神奈川県横浜市金沢区

150,000

2.89

3,189,527

61.60