業績の推移(百万円) | |||||||||
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売上高 | 営業利益 | % | 経常利益 | % | 当期利益 | % | 一株利益 | 一株配当 |
財務・CF(百万円) 2020/09/30 | |||
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総資産 | 5,177 | 営業CF | 556 |
純資産 | 2,120 | 投資CF | -60 |
自己資本比率 | 0.4 % | 財務CF | 563 |
資本金 | 582 | 現金等 | 3,267 |
四半期 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | ||||
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前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 |
累計 | 1Q | 1-2Q | 1-3Q | 1-4Q | 会社予想 | ||||
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前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 今期 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社の事業展開上のリスクについて投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる主な事項には以下のものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容もあわせて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意下さい。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が入手可能な情報から判断したものであります。
(1)経済状況等の影響について
当社は主にセルフストレージ事業に特化したサービスを提供しております。よって景気動向、金利動向、不動産価格等の経済状況や社会情勢の変化はもとより、セルフストレージ業界全体の経済変動や施設利用者の需要動向、セルフストレージ運営にかかわる法的規制等に影響を受けやすいため、セルフストレージ業界も含めた景気見通しの悪化や大幅な金利の上昇、あるいは施設供給過剰などにより投資市場が低迷した場合には、施設利用者の減少や施設利用料の滞納の増加、セルフストレージ施設の販売期間の長期化や完成在庫の増大などが発生する恐れがあり、当社の経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当該リスクへの対応策として、定期的に景気動向・不動産市況等のモニタリングを行うとともに、エリア・規模・用途・物件特性に応じたマーケット観の醸成、投資判断力・リーシング力の強化等により、リスクの低減を図ってまいります。
(2)求償債権の回収不能リスクについて
当社のビジネスソリューションサービスにおいては、当社がセルフストレージの使用料債務に対する連帯保証人となっております。仮に、当該セルフストレージ事業者への使用料の遅延・滞納が起きた場合には、利用者にかわって当社が使用料の立替払いをいたします。これにより、当社は保証契約に基づく求償債権又は保証委託契約に基づく求償債権を取得することになりますが、これら債権を全額回収できるとは限らず、回収不能金が発生する可能性があります。
当社は、このリスクに対して過去の未回収金の発生状況を勘案した保証料率を設定し、また保証契約あるいは保証委託契約に基づく求償債権に対して直近3年間の貸倒実績率に基づき貸倒引当金を計上することで対処しております。しかしながら、実際の貸倒れが現時点の予想を上回った場合、現時点の貸倒引当金は不十分となる可能性があります。また、当社が貸倒引当金を設定する基準を改訂した場合、又はその他の要因により予想以上に悪影響を受けた場合、当社は追加の貸倒引当金の計上を必要とする可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)残置物撤去費用の発生リスクについて
当社はセルフストレージ使用契約が解除された場合、セルフストレージ利用者がセルフストレージ内に残した残置物を撤去し、撤去にかかわる費用を負担する契約をセルフストレージ事業者と締結しておりますので、セルフストレージの滞納保証業務において残置物撤去費用の発生を避けることはできません。
このため、撤去費用の発生の割合及び発生金額が経済環境の予想し難い激変等、何らかの理由により上昇する事態が起こった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
さらに、残置物撤去の作業時において、重量物や危険物が残置されている際に作業員が不可抗力で労働災害に見舞われる可能性があります。作業員が災害にあった際にはその補償のために拠出した費用が当社の業績に影響を与える可能性があります。
(4)訴訟リスクについて
当社においては、保証委託契約締結時に審査を実施するものの、使用料を滞納し支払困難となる利用者が発生する場合があります。滞納が発生した後2ヶ月以上経過するとセルフストレージ事業者と利用者の間で締結された契約に基づき、セルフストレージ事業者は当社が使用料の立替えを行っていたとしても施設利用契約の解除を行う権限を有します。契約の解除に伴いセルフストレージに入れている荷物の撤去を要求しますが、支払困難となった滞納者の中には独自の解釈により荷物を置き続ける等を行い、セルフストレージ事業者と主張が対立する場合があります。その際、当社はセルフストレージ利用者との間で締結した保証委託契約に基づき、物件に放置された荷物を搬出、運搬、保管、処分を行う権限を有します。一定期間の保管後、当社の処分行為により損害を受けたとしてセルフストレージ利用者が当社を提訴する可能性があります。当該訴訟の内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)セルフストレージ施設開発用地の仕入について
当社は、東京圏エリアにおいて事業用地の取得し、「keep it」などのセルフストレージ施設を開発・販売しております。当社では、十分な不動産関連情報に基づき当該事業を展開しておりますが、今後何らかの事情により十分な不動産関連情報の入手が困難となった場合や用地取得前の調査で認識できない土壌汚染が取得契約後に発見された場合による追加費用の発生・開発スケジュールの変更などにより当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)ターンキーソリューションサービスにおける物件の引渡時期等による業績の変動について
ターンキーソリューションサービスにかかる売上高は、主にセルフストレージ施設等の不動産物件の売却金額であるため、当社のその他サービスと比較して売上高が多額になる傾向があります。そのため、ターンキーソリューションサービスの売上高の動向により当社全体の業績も大きく変動する可能性があり、特に四半期毎の経営成績においては、物件売却の有無により売上高および収益が短期的に偏る可能性があります。加えて、天災、事故、その他予測し得ない要因等の不測の事態により、物件の引渡時期が期末を越える遅延が生じた場合や期末近くに竣工・引渡を計画している物件について、竣工時期の延期などにより顧客への引渡が次期にずれ込む事態が生じた場合には、当該期の当社業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)外部業者への工事の委託
当社は、特にターンキーソリューションサービスにおいて、設計・施工工事・賃貸管理・建物管理等を所定の審査を経た上で外部業者に委託しております。更に外部業者に業務を委託した後においても、品質及び工程監理のため当社社員が随時外部業者との会議に参加し、報告を受け、当社の要求する品質、工期に合致するように確認作業を適宜行っております。
しかしながら、施工工事における災害の発生、労務費・資材費高騰による開発コストの上昇、外部業者からの虚偽の報告、外部業者の契約不履行や倒産等、不測の事態が発生し工事が遅延若しくは停止した場合には、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、施工完了後、外部業者の破綻等の事態が発生したことにより、本来外部業者が負うべき瑕疵の補修責任等が履行されず、想定外の費用負担等が当社に発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)マスターリース(一括借り上げ)契約
当社のターンキーソリューションサービスにおいて開発した物件は、完成後に売却した際に、当社と物件取得先との間でマスターリース契約を締結することがあり、この場合当社にはこれらの物件についてリース債務が生じます。このマスターリース契約を締結した物件が想定した稼働率に到達しない場合、賃料収入が支払いマスターリース料を下回ることもあり、この場合には当社の業績に影響を与える可能性があります。
(9)競合事業者について
当社はセルフストレージの滞納保証・収納代行・利用申込・itシステム開発・残置物撤去と、セルフストレージビジネス運営に関する一貫したアウトソーシングサービスを提供しており、サービス導入シェア約6割の独自性の高い事業を展開しております。しかしながら、家賃の連帯保証人代行サービスを提供する会社やクレジットカード会社など、異業種との部分的競合が発生する可能性があります。
当社としては、業務品質の向上、商品開発やit化の推進等により、先行者利益を更に拡大するべく努力する所存でございますが、当社の競合環境の激化等を通じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(10)有利子負債の依存ついて
当社は、ターンキーソリューションサービスにおけるセルフストレージ施設開発用地取得費及び建築費の一部などの事業資金を、主に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産額に占める有利子負債の割合が2020年9月期は49.3%となっております。
当社は、金利動向や金融機関の融資状況についてモニタリングを行うとともに、資金調達に際しては、特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに金融機関に融資を打診するなど、リスク低減を図っております。
しかしながら、金利の上昇や不動産投資市場または当社のリスクプレミアムが上昇した場合には、支払利息等が増加し、当社の業績に影響が及ぶ可能性があります。また。何らかの要因により当社が必要とする資金調達に支障が生じた場合には、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(11)個人情報を含む情報管理について
当社は、セルフストレージ利用者に関する個人情報やセルフストレージ事業者の企業情報等、機密性が高い様々な情報が蓄積されるため、これらの情報の保護が重要となります。そのため、従業員に対し情報管理の重要性を周知徹底するとともに、ファイアーウォールによる不正アクセスの防止や、定期的なバックアップの実施によるデータ消失の防止等を行っております。このようなシステムセキュリティを設定しておりますが、通信インフラの破壊や故障などにより当社が利用しているシステム全般が正常に稼働しない状態に陥ってしまった場合、あるいは情報漏洩・不具合が発生した場合には、当社の社会的信用、業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(12)その他の関係会社について
①資本関係
当事業年度末現在、株式会社ディア・ライフは当社の発行済株式総数(自己株式を除く)普通株式の42.78%、日本郵政キャピタル株式会社は当社の発行済株式総数(自己株式を除く)普通株式の20.60%を保有しております。当社の経営判断において関連会社の承認を必要とする取引や業務は存在しませんが、当社の取締役、監査役の選任・解任や合併等の組織再編、重要な資産・事業の全部又は重要な一部の譲渡、定款の変更及び剰余金の処分等、株主の承認が必要となるすべての事項に関しては、他の株主の意向や利益にかかわらず、株式会社ディア・ライフ及び日本郵政キャピタル株式会社が今後も影響を与える可能性があります。また、株式会社ディア・ライフ及び日本郵政キャピタル株式会社において、風評リスク等が顕在化した場合、当社に対しても当該リスクが伝播する可能性があります。
②その他の関係会社との取引関係
その他の関係会社からの独立性確保の観点も踏まえ、重要な取引については取締役会に対して定期的に報告を行うとともに、管理部における取引開始時のチェック、監査役監査や内部監査における取引の内容等の事後的なチェックを行う等、健全性及び適正性確保の仕組みを整備し、更に強化してまいります。
③役員の兼任
当社役員のうち、下記の者は本書提出日現在において、当社の役員と株式会社ディア・ライフの役員を兼務しております。当社に対する株式会社ディア・ライフの出資比率が変更される等の理由により、当社との関係が変動すると、これらの人的関係も変動する可能性があります。
氏名 | 当社における役職 | 株式会社ディア・ライフにおける役職 |
阿部幸広 | 取締役会長(非常勤) | 代表取締役社長 |
(注) 阿部幸広は当社の代表取締役であったことから引き続き取締役を兼任しております。
(13)新型コロナウイルス感染症拡大に関するリスク
今般世界的に感染が拡大した新型コロナウイルスに対しては、業務の維持継続や事業への影響の最小化に取り組んでおり、itを活用した非対面での利用者対応や、在宅勤務、時差出勤やシフト制勤務の活用等によりお客様と従業員の健康と安全を最優先に考慮し、政府や自治体等の関係機関の方針に沿いながら、社内外への感染拡大防止に努めております。
現時点で新型コロナウイルス感染症拡大による当社の事業活動への影響は軽微と想定しておりますが、同感染症の再拡大もしくは収束の長期化となった場合には、営業活動の休止もしくは制限、セルフストレージ施設利用の解約増加、セルフストレージ施設工事の遅延や投資市場の停滞等による施設販売の長期化等の事象が発生する恐れがあり、当社の経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)法的規制等について
当社は事業の運営において、国土利用計画法、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、金融商品取引法、労働者派遣法等、各種法令のほか各自治体が制定した条例等による規制を受けております。当社の許認可等の状況は下表のとおりであり、各種法的規制に関して、法律を遵守するよう社員教育を行うとともにそれらの遵守体制を整備・強化しておりますが、何らかの理由により当該許認可が取り消しとなる事由が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、今後これらの法令の改正や、法的規則が強化された場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(許認可、免許及び登録等の状況)
許認可等の名称 | 所管官庁等 | 許認可等の内容 | 有効期間 | 法令違反の要件及び主要な許認可等取消事由 |
宅地建物取引業免許 | 東京都 | 東京都知事(2) 第97464号 | 2025年2月13日 | 宅地建物取引業法第66条各号に該当する場合 |
有料職業紹介事業免許 | 厚生労働省 | 13-ユ-308501 | 2025年4月30日 | 職業安定法第32条各号に該当する場合 |
一般労働者派遣事業免許 | 厚生労働省 | (般)13-304730 | 2023年5月31日 | 労働者派遣法第14条各号に該当する場合 |
当社は、「セルフストレージ(レンタル収納スペース・トランクルーム)業界で必要不可欠のインフラとなり、セルフストレージ業界とともに発展する」を経営ビジョンとして掲げ、「ビジネスソリューションサービス」、「itソリューションサービス」、「ターンキーソリューションサービス」を営んでおります。
なお、当社は、セルフストレージビジネスソリューションプロバイダ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず、各サービスについて記載しております。
(1)ビジネスソリューションサービス(以下、「bs」という。)
当サービスは、セルフストレージビジネスプロセスのアウトソーシングに滞納保証を付加したサービスを提供するものであります。セルフストレージ利用者はセルフストレージ事業者との一時使用契約締結時に当社へ保証料を支払うことで保証人の設定や敷金が不要となり、また、セルフストレージ事業者は当社が保証することで使用料未回収リスクの低下とアウトソーシングによる業務全体の効率化を図ることができます。提供している具体的なサービス内容は以下のとおりであります。
①申込受付
セルフストレージの利用を希望している方が電話やwebから問合せや申込をした場合、事業者に代わって契約書の準備や利用案内等の受付手続きを行います。契約した件数や対応する物件の室数に応じて事業者から手数料を頂きます。
②入金管理
利用者から毎月の使用料を回収し、事業者へ送金します。万が一、利用者の支払が遅れた場合には当社が立替えて事業者へ送金しますので、事業者は使用料未回収リスクを回避できます。
③滞納督促
当社が立替えた使用料を利用者に督促します。事業者は使用料を全額回収しているので、督促する必要がありません。また、利用者は使用料の支払が遅れた場合、当社が使用料を立替えしているため事業者との一時使用契約が即時解除になる心配がありません。
④残置物撤去
利用者が不要な荷物を残したまま退室してしまった場合、当社が撤去して原状回復を行います。
⑤物件巡回
事業者との契約に基づいてセルフストレージ物件の敷地内の除草作業や不審な放置物の有無についての確認作業を行います。
(2)itソリューションサービス(以下、「its」という。)
当サービスでは、セルフストレージ事業における業務効率化のためのitシステム開発・運用を行っております。昨今ではセルフストレージ業界においてもwebを通じたサービス提供のニーズが高まっております。当社では利用者のwebを経由したセルフストレージ申込・予約・使用料決済を可能とし、同時に事業者へweb上における物件在庫管理システム「クラリス」を提供しております。さらに「クラリス」の物件在庫管理の一面に着目し、新たにapi配信向け物件情報機能を追加してwebを通じた利用者の集客サービス「クラギメ」を提供しております。具体的には、当社が開設したポータルサイト「ニコニコトランク」を通じて「クラリス」に登録された物件情報を配信することで集客を行っております。「クラリス」と「クラギメ」を利用することで、事業者はitによる恩恵をより一層受けることができるようになっております。
(3)ターンキーソリューションサービス(以下、「tks」という。)
当サービスでは、「keep it」ブランドなどのセルフストレージ施設の開発販売やセルフストレージ事業運営のコンサルティング、マスターリース(建物一括賃借)といった業務を通じ、セルフストレージ事業者や投資家等の顧客のセルフストレージ投資機会の創出を支援しております。当社が新規に土地を取得しセルフストレージ施設を建設、既存建物のセルフストレージ施設への改装、当社が不動産を仲介し、当該不動産についてセルフストレージへのリノベーションを提案など様々なソリューションにより、セルフストレージ投資需要や新規参入者の開業支援需要にも対応を進めております。
(サービス系統図)
(契約関係及び金銭の流れ)
当社を取り巻くセルフストレージ業界におきましては、その市場規模は650億円、店舗数はファミリーレストラン市場(10,753店舗 日本フードサービス協会 外食産業市場動向調査より引用)を超える10,793店舗・478,000室と、拡大基調が続いております(株式会社キュラーズ annual supply surveyより引用)。加えて、サービス認知の高まりやテレワークの浸透による居住環境の変化、オフィスのダウンサイジングに伴う荷物保管ニーズの顕在化により、セルフストレージの利用需要は堅調に推移しております。
このような状況の下、当社は内覧・見積・契約等のセルフストレージ利用に至る手続きをウェブ等の非対面環境で実施できるitサービスを始めとしたbpo(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに事業活動や外出が制限される期間においても、事業者の運営効率化や利用者の手続迅速化に大きな支障をきたすことなく提供してまいりました。
また、「keep it(キーピット)」ブランド等のセルフストレージ施設開発も積極的に推進、一部プロジェクトの工事の長期化や、用地仕入・施設販売活動の一定期間の停滞が生じましたが、これまでの顧客投資家に加え、事業者の出店需要、個人富裕層・事業法人の投資需要などに対し、施設を開発供給するなど、販路の多様化を進めてまいりました。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高は4,547,082千円(前事業年度比3.5%増)を計上しましたが、自社運営のセルフストレージ施設への集客推進のための広告活動費、新型コロナウィルス感染拡大後のサービス体制拡充のための増員・外部業務委託費用の支出や長期滞納者収納物の撤去・処分を積極的に進めたことにより、営業利益は322,018千円(同36.3%減)、経常利益は311,279千円(同35.8%減)、当期純利益は214,204千円(同36.6%減)となりました。
当社は単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。各サービスの取組みは以下のとおりであります。
(ビジネスソリューションサービス)
当サービスはセルフストレージ事業者向けに賃料債務保証を付加したアウトソーシングサービスを提供するものであります。当事業年度におきましては、当社開発の施設も含めたセルフストレージの認知向上・利用者の増加などを背景に、当サービス受託件数が堅調に推移し、当事業年度末時点のサービス受託残高は87,748件(前期比8.6%増)、年間申込件数は27,225件(前年同期比6.9%増)となりました。
(itソリューションサービス)
当サービスでは、ストレージ事業における業務効率化のためのitシステム開発・運用を行っております。当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけにオンラインでのセルフストレージ申込・契約対応に移行する事業者へのweb予約決済・在庫管理システム「クラリス」の導入が伸長するととともに、ビジネスソリューションサービスの拡販にも寄与しました。
(ターンキーソリューションサービス)
当サービスは、各種投資家やセルフストレージ事業者等向けにセルフストレージ物件の開発・販売を行っております。当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、一部プロジェクトの工事の長期化や、用地仕入・施設販売活動の一定期間の停滞が生じた一方で、前年を大きく上回るペースで当社運営施設への利用申込が進みました。これらを背景に、緊急事態宣言解除後から投資再開に向け徐々に動きが出始めた中、当社開発物件の販売・開発用地の新規仕入に注力してまいりました。当事業年度は、「キーピット駒沢深沢」「キーピット江東北砂」「キーピット西葛西ⅱ」「キーピット調布つつじヶ丘」等8施設の売却や当社開発施設等約5,500室の施設の運用を進めました。
総資産は、前事業年度末に比べ797,572千円増加し、5,177,322千円となりました。主な要因はセルフストレージ施設売却及び借入金に伴う現金及び預金の増加1,058,377千円、販売に伴う仕掛販売用不動産等の減少310,160千円によるものであります。
負債は、前事業年度末に比べ630,137千円増加し、3,056,323千円となりました。主な要因は、新型コロナウイルス感染拡大長期化に備えた手元資金の拡充等による借入金の増加609,815千円によるものであります。
純資産は、前事業年度末に比べ167,434千円増加し、2,120,999千円となりました。これは主に剰余金の配当49,675千円、及び当期純利益が214,204千円計上されたことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は556,120千円(前年同期に使用した資金は504,342千円)となりました。これは主に税引前当期純利益311,097千円、たな卸資産の減少310,160千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は60,874千円(前年同期に獲得した資金は22,445千円)となりました。これは主に敷金の回収による収入11,183千円があった一方で、固定資産の取得による支出59,895千円、敷金の差入による支出9,752千円、関係会社株式の取得による支出2,400千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は563,130千円(前年同期に獲得した資金は852,990千円)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,224,749千円、配当金の支払額49,608千円があった一方で、短期借入金の純増減額87,950千円、長期借入れによる収入1,746,615千円があったことによるものであります。
以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて1,058,376千円増加して3,267,296千円となりました。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
セルフストレージ業界は、機関投資家及び事業会社等が首都圏のビル型セルフストレージへの投資を積極的に進めるなど、セルフストレージマーケットは、建物型セルフストレージを中心に、引き続き堅調に拡大しております。
このような事業環境におきまして、当社は、セルフストレージ業界で唯一の事業者向けフルサービスのソリューションプロバイダー及び投資家向けのプロパティマネージャーとして、セルフストレージビジネスに関するさまざまなソリューションを提供してまいりました。
以上の結果、当第1四半期累計期間の業績は、売上高は819,001千円(前年同四半期比294.4%増)となりました。損益面では、営業利益は57,790千円(前年同四半期比347.4%増)、経常利益は52,871千円(前年同四半期比421.5%増)、四半期純利益は35,608千円(前年同四半期比507.4%増)となりました。
当社は単一セグメントのため、セグメントごとの記載はございません。サービス別の概況は以下の通りであります。
(ビジネスソリューションサービス)
当サービスはセルフストレージ事業者向けに賃料債務保証を付加したアウトソーシングサービスを提供するものであります。当第1四半期累計期間におきましては、新規導入や既存取引先からの受託に加え、ターンキーソリューションサービスで開発販売したセルフストレージからの受託件数も順調に増加し、当サービスは引き続き堅調に推移しました。以上の結果、売上高は207,656千円(前年同四半期比11.1%増)となりました。
(itソリューションサービス)
当サービスでは、ストレージ事業における業務効率化のためのitシステム開発・運用を行っております。当第1四半期累計期間は、web予約決済・在庫管理システム「クラリス」の導入室数が堅調に増加し、オンラインをメインチャネルとしたセルフストレージの申込・契約の一般化が進んでおります。当第1四半期累計期間の売上高は6,618千円(前年同四半期比15.4%増)となりました。
(ターンキーソリューションサービス)
当サービスは、投資家及びセルフストレージ事業者向けにセルフストレージ物件の開発、販売を行っており、セルフストレージ事業を直ちに稼動できる状態で提供しております。当第1四半期累計期間は、引き続きセルフストレージ開発用地の取得・施設の開発を積極的に進め、10プロジェクトの開発が進行しております。第1四半期累計期間は、セルフストレージ物件を1物件売却した結果、売上高は604,727千円(前年同四半期比3,916.8%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
①資産の部
流動資産は、前事業年度末と比べて206,284千円減少し、3,993,761千円となりました。これは主にセルフストレージ施設の用地取得・開発を推進したことにより、仕掛販売用不動産が111,815千円、販売用不動産が227,735千円増加した一方で、前記及び法人税等の納税等により現金及び預金が622,560千円減少したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末と比べて8,848千円増加し、188,552千円となりました。これは主に撤去物保管拠点として土地が7,000千円増加したことによるものであります。
この結果、当第1四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末と比べて197,436千円減少し、4,182,314千円となりました。
②負債の部
流動負債は、前事業年度末と比べて155,189千円減少し、2,125,176千円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が7,758千円、未払法人税等が111,350千円減少したことによるものであります。固定負債は、前事業年度末と比べて28,180千円減少し、117,640千円となりました。これは長期借入金が28,180千円減少したことによるものであります。
この結果、当第1四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末と比べて183,369千円減少し、2,242,816千円となりました。
③純資産の部
純資産合計は、前事業年度末と比べて14,066千円減少し、1,939,497千円となりました。これは主に、配当金の支払49,675千円、及び四半期純利益35,608千円を計上したことによるものであります。
なお、自己資本比率につきましては前事業年度末より1.8ポイント増加し46.4%となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営成績について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
当社は、金融・it・アウトソーシングを融合したサービスを提供する目的で事業を開始しました。サービス提供には貸金業者であることを要したため、2006年1月に貸金業登録を受けている休眠会社(株式会社今泉工務店として1969年12月に設立された後に休眠)の経営権を株式会社プライムが取得し株式会社パルマフィナンシャルサービシーズと商号を改めたことが発足の経緯です。
年月 | 概要 |
2006年1月 | 金融・it・アウトソーシングを融合したサービスの提供等を行う目的で営業を開始、商号を株式会社パルマフィナンシャルサービシーズへ改める |
2006年3月 | 売掛債権ファクタリング等金融事業を開始 |
2006年6月 | パート・アルバイト雇用者向け給与仮払いサービス「パルマ速払い」事業を開始 |
2006年7月 | セルフストレージ滞納保証付きビジネスプロセスアウトソーシング事業(現セルフストレージビジネスソリューションプロバイダ事業)を開始 |
2009年4月 | 売掛債権ファクタリング等金融事業を売却 |
2009年5月 | 株式会社ディア・ライフグループが当社株式の100%を取得し、同社の子会社となる |
2009年11月 | 商号を株式会社パルマに改めるとともに東京都千代田区飯田橋に移転、本店所在地とする |
2009年12月 | 会社分割により、「パルマ速払い」事業を株式会社パルマsvcに承継させ、同社株式の85%を株式会社y's&partnersに譲渡 |
2010年4月 | 株式会社パルマsvcの全株式を株式会社y's&partnersに譲渡 |
2011年7月 | 東京都千代田区九段北に移転、本店所在地とする |
2011年12月 | セルフストレージ使用申込受付コールセンター業務を開始 |
2013年10月 | セルフストレージweb予約決済・在庫管理システム「クラリス」の提供を開始 |
2014年2月 | セルフストレージ集客業務を開始 |
2014年5月 | 東京都千代田区永田町に移転、本店所在地とする |
2014年11月
| セルフストレージ開発・開業支援コンサルティング業務を開始 api配信を利用した集客サービス「クラギメ」の提供を開始、セルフストレージ検索予約ポータルサイト「ニコニコトランク」を開設 |
2015年2月
| セルフストレージ開発・開業支援コンサルティング業務における不動産の取得及び仲介のために宅地建物取引業者免許取得(東京都知事(1)第97464号) |
2015年8月 | 東京証券取引所マザーズに株式を上場 |
2017年1月 | パーソナルストレージの運営、管理、及びプロパティマネジメントを行う「日本パーソナルストレージ株式会社」を設立 |
2018年5月 | 日本郵政キャピタル株式会社が当社株式を取得し、同社の関連会社となる |
2018年5月 | 第三者割当増資及び㈱ディア・ライフの当社株式売出しにより同社が親会社からその他の関係会社となる |
2018年10月 | トランクシステム工業株式会社の株式を取得し、同社を関連会社とする |
2020年1月 | 東京都千代田区麹町に移転、本店所在地とする |
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つと考えており、事業規模の拡大及び経営基盤の強化のために必要な内部留保を充実させるとともに、当社事業に継続して投資して頂く株主の皆様に対して、会社業績に応じた配当を実施していくことを基本方針としております。
当社は、剰余金を配当する場合には、期末配当の年1回を基本方針としておりますが、会社法第459条第1項の規定に基づき、期末配当は9月30日、中間配当は3月31日をそれぞれ基準日として、剰余金の配当等を取締役会の決議により行う旨の定款規定を設けており、配当の決定機関は、取締役会であります。
当事業年度の配当につきましては、2020年11月13日における取締役会決議に基づき、1株当たり8円、総額49,709千円としております。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、事業規模の拡大及び経営基盤の強化のための財源として利用していく予定であります。
種類 | 事業年度末現在発行数(株) (2020年9月30日) | 提出日現在発行数(株) (2020年12月22日) | 上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 | 内容 |
普通株式 | 6,214,000 | 6,214,400 | 東京証券取引所 (マザーズ) | 単元株式数 100株 |
計 | 6,214,000 | 6,214,400 | - | - |
(注)「提出日現在発行株式数」欄には、2020年12月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
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| 2020年9月30日現在 | ||
区分 | 株式の状況(1単元の株式数100株) | 単元未満株式の状況(株) | |||||||
政府及び地方公共団体 | 金融機関 | 金融商品取引業者 | その他の法人 | 外国法人等 | 個人その他 | 計 | |||
個人以外 | 個人 | ||||||||
株主数 (人) | - | 2 | 19 | 25 | 16 | 4 | 2,530 | 2,596 | - |
所有株式数 (単元) | - | 101 | 1,029 | 39,666 | 696 | 4 | 20,632 | 62,128 | 1,200 |
所有株式数の割合(%) | - | 0.16 | 1.66 | 63.83 | 1.12 | 0.01 | 33.22 | 100.00 | - |
(注)自己株式275株は、「個人その他」に2単元及び「単元未満株式の状況」に75株を含めて記載しております。
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| 2020年9月30日現在 | |
氏名又は名称 | 住所 | 所有株式数 (株) | 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
株式会社ディア・ライフ | 東京都千代田区九段北1丁目13番5号 | 2,658,400 | 42.78 |
日本郵政キャピタル株式会社 | 東京都千代田区大手町2丁目3番1号 | 1,280,000 | 20.60 |
高野 茂久 | 東京都墨田区 | 292,000 | 4.70 |
山西 良知 | 東京都港区 | 199,700 | 3.21 |
山田 直樹 | 福岡県福岡市東区 | 150,000 | 2.41 |
松下 祐士 | 東京都新宿区 | 92,700 | 1.49 |
阿部 幸広 | 東京都新宿区 | 76,600 | 1.23 |
クレディ・スイス証券株式会社 | 東京都港区六本木1丁目6番1号 泉ガーデンタワー | 60,500 | 0.97 |
上村 卓也 | 東京都渋谷区 | 52,700 | 0.85 |
青木 寛 | 東京都新宿区 | 40,000 | 0.64 |
計 | - | 4,902,600 | 78.90 |
男性8名 女性2名(役員のうち女性の比率20.0%)
役職名 | 氏名 | 生年月日 | 略歴 | 任期 | 所有 株式数(株) | ||||||||||||||||||
取締役 会長 | 阿部 幸広 | 1968年2月20日生 |
| (注)3 | 76,600 | ||||||||||||||||||
代表取締役 社長 | 高野 茂久 | 1964年7月12日生 |
| (注)3 | 292,000 | ||||||||||||||||||
取締役 営業本部長 | 鈴木 秀長 | 1975年12月23日生 |
| (注)3 | 8,200 | ||||||||||||||||||
取締役 管理部管掌兼 経営企画担当 | 清水 誠一 | 1965年11月10日生 |
| (注)3 | 2,200 | ||||||||||||||||||
取締役 | 榎 和志 | 1961年10月20日生 |
| (注)3 | 2,700 | ||||||||||||||||||
取締役 | 斎藤 聡 | 1963年9月5日生 |
| (注)3 | 1,200 |
役職名 | 氏名 | 生年月日 | 略歴 | 任期 | 所有 株式数(株) | ||||||||||||||||||||||||
取締役 | 吉松 こころ | 1977年12月28日生 |
| (注)3 | - | ||||||||||||||||||||||||
監査役 (常勤) | 片桐 英 | 1946年7月8日生 |
| (注)4 | 1,200 | ||||||||||||||||||||||||
監査役 | 輿水 英行 | 1967年3月14日生 |
| (注)4 | 16,000 | ||||||||||||||||||||||||
監査役 | 髙塚 直子 | 1963年6月25日生 |
| (注)4 | 200 | ||||||||||||||||||||||||
計 | 400,300 |
(注)1.取締役榎和志、斎藤聡及び吉松こころは社外取締役であります。
2.監査役片桐英、輿水英行及び髙塚直子は社外監査役であります。
3.2020年9月期に係る定時株主総会終結の時から2021年9月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4.2018年9月期に係る定時株主総会終結の時から2022年9月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5.当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選任しております。補欠監査役の略歴は次のとおりであります。
氏名 | 生年月日 | 略歴 | 所有株式数 (株) | |
大森 茂延 | 1954年6月12日生 | 1977年4月 2003年12月 2018年10月 | 東海銀行(現三菱ufj銀行)入行 東洋インキscホールディングス株式会社入社 蘇州豊迅汽車租賃有限公司総経理(現任) | - |
6.当社では、業務執行の強化及び意思決定の迅速化を図るために執行役員制度を導入しております。執行役員は、執行役員開発本部長三浦光博、執行役員管理部長赤羽秀行の2名であります。