業績推移
業績の推移(百万円)

売上高 営業利益 % 経常利益 % 当期利益 % 一株利益 一株配当
財務
財務・CF(百万円)  2020/03/31
総資産 10,313 営業CF 533
純資産 7,081 投資CF -164
自己資本比率 0.7 % 財務CF -449
資本金 526 現金等 7,409
四半期推移表
四半期 1Q 2Q 3Q 4Q
前期 今期 前期 今期 前期 今期 前期 今期
累計 1Q 1-2Q 1-3Q 1-4Q 会社予想
前期 今期 前期 今期 前期 今期 前期 今期 今期
リンクボタン
トピックス
リスク・対策
2 【事業等のリスク】

当社の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 特定顧客への依存度について

当社は、金融業界に強みをもつ顧客を重点顧客として、長年にわたり取引を継続しております。その結果、当事業年度における株式会社野村総合研究所への販売実績は、総販売実績に対し28.8%の割合となっております。同社とはeパートナー契約を結ぶほか、政策保有株式を所有しております。

同社の事業方針、経営状況、パートナー施策等に変化が生じた場合、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

中期事業計画の重点戦略の一つとして定めた「①トラディショナルitビジネス」の方針である新規顧客の開拓や、同じく「③クリエイトitビジネス」の方針であるサービス提供型ビジネスの構築等により、リスクの軽減を図ってまいります。

 

(2) 主要分野である金融業界の動向について

当社は生命保険会社の関連会社として設立された経緯から、経営方針に記載のとおり金融業界を主要分野とした営業活動を展開しており、金融系分野の業務知識・経験・ノウハウを蓄積することにより他社との差別化を図り、中期事業計画の重点戦略の一つである「①トラディショナルitビジネス」と位置付けて経営資源を当該分野に集中した経営を推し進めてまいりました。

その結果、同業界への売上高の総売上高に対する割合は、当事業年度において80%超の水準に達しており、同業界におけるソフトウェア投資の動向によっては、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

中期事業計画の重点戦略の「②デジタルitビジネス」による非金融系領域の拡大及び「③クリエイトitビジネス」の方針であるサービス提供型ビジネスの構築等により、リスクの軽減を図ってまいります。

 

(3) システム開発作業の遅延等による想定外の作業発生について

契約形態が請負であるシステム開発には、納期までにシステムを完成・納品するという完成責任がありますが、高度化・複雑化した顧客要求や完成までの諸要件の変更等により、開発スケジュール、要員計画の変更が発生し、納期に遅延することがあります。また、納品後であっても契約不適合責任等で想定外の作業が発生することがあります。

これらに対し当社では、教育研修や現場教育を通じプロジェクトマネージャの管理能力を高め、iso規格に適合した品質管理システム及びpmoを十分に機能させ、リスクに対処しながらプロジェクト管理を行っておりますが、プロジェクトの遅延や中断、あるいは開発途中での仕様変更や納品後において事前に予見することが困難な契約不適合等により追加対応が必要となった場合、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) オフショア開発について

当社におきましては、開発要員の確保、コスト削減の観点からオフショア開発への取り組みを図っておりますが、技術レベルやコミュニケーション能力、文化、法制度の違いなど、様々なリスクの発生が予想されます。

当然のことながら、現地事業主や技術者との交流等によるコミュニケーションの円滑化、必要技術や開発ルールの教育等リスクの発生を未然に防止するため、最適な対応に努めているところでありますが、想定外の事態が発生した場合、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) m&a、資本業務提携について

 当社は既存の事業基盤を拡大するため、あるいは中期事業計画の重点戦略である「②デジタルitビジネス」によるデジタル領域への進出や「③クリエイトitビジネス」による新規事業の創出を図るため、事業戦略の一環としてm&aや資本業務提携を含む戦略的提携(以下m&a戦略)を行う可能性があります。

m&a戦略を実行する際は事前に十分検討を行いますが、当初想定した収益性やシナジー効果が得られない場合、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 有能な技術者の確保と育成について

中期事業計画の「④経営基盤の強化」において「個人の成長」が「組織の成長」に連動するようと記載したとおり、当社の事業はプロジェクトマネージャやシステムエンジニアの能力に大きく依存するため、優秀な人財の確保と育成が重要であります。当事業年度においては、ほぼ目標通りの採用人数を確保しておりますが、採用人数が目標水準を下回る場合、当社の成長性や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

複数の新卒採用チャネルの用意及び中途採用活動の活発化による人財の確保、並びに人財育成部門の体制強化や教育カリキュラムの充実による迅速な育成により、益々多様化、複雑化するシステム案件に対して技術者を最適に配置してまいります。

 

(7) 退職給付債務について

当社の従業員に係る退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。実際の結果と前提条件による計算との差異、いわゆる数理差異が発生した場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼすこととなります。また、退職給付費用は、金利水準に基づく割引率により変動することとなるため、割引率が低下した場合は、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報管理について

当社は、業務遂行の過程において、個人情報を含む顧客情報やその他の機密情報を取り扱う場合があり、厳格な情報管理が求められております。その対応として、特定個人情報を含む個人情報保護方針と情報セキュリティポリシーを定めるとともに、社員及びパートナー会社との機密保持契約の締結、社員及びパートナー技術者に対する情報管理に関する教育等を実施しております。また定期的に開催しているセキュリティ委員会において、その運用状況について確認しており、外部への情報漏洩を防ぐセキュリティ管理体制の強化を積極的に推進しております。(なお、2007年1月にプライバシーマーク、2016年6月にiso27001を取得しております。)

しかしながら、予期せぬ事態により、個人情報や顧客の重要情報が漏洩、あるいは不正使用された場合は、当社の信用や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

中期事業計画の重点戦略の一つとして定めた「④経営基盤の強化」の方針である、コンプライアンスの体制強化を図り、会社の持続的成長を支える経営基盤の強化を図ります。

 

(9) 知的財産権について

当社は、事業を遂行する上でソフトウェア著作権を始めとした多くの知的財産権を利用しております。当社では業務上必要となる知的財産権の確保や第三者の権利侵害について、充分な啓蒙活動を行っておりますが、ライセンスの取得、維持等が適正に行われなかったり、第三者の権利侵害が発生した場合、多額の費用負担が生じたり、損害賠償請求を受けるなど、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

中期事業計画の重点戦略の一つとして定めた「④経営基盤の強化」の方針である、コンプライアンスの体制強化を図り、会社の持続的成長を支える経営基盤の強化を図ります。

 

 

(10) 大規模災害等の発生について

大規模な災害や重大な伝染病等が発生した場合、事業所が甚大な損害を被ったり、多くの従業員が被害を受けたり、当社の事業活動に重大な支障をきたす可能性があります。

当社は、定期的な防災訓練や災害備蓄、従業員の安否確認システムの導入、在宅勤務の実施、web会議の実施等事業継続のための体制整備を図っておりますが、想定外の事態が発生した場合、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 新型コロナウイルス感染症の影響について

経営戦略に記載したとおり新型コロナウイルス感染症対策として、当感染症の防止等を目的とした、「新型コロナウイルス対策本部」を設置し、①海外出張の禁止、海外渡航の自粛、②在宅勤務、時差出勤、フロア分散、web会議等の実施、③入室時の手洗い及び手指消毒、④マスクの配付ほか、各種対策を実施しました。また顧客常駐社員及び本社勤務の社員について適用する「新型コロナウイルス感染対策」を作成しております。感染がない場合の出勤体制、感染疑いの場合の出勤体制、その他対応等を記載し、社員が緊急時に速やかに対応出来るよう通達し、社員への感染の影響が最小限となるよう取り組んでおります。この「新型コロナウイルス感染対策」は、政府発表や感染状況等の情報を収集し、「新型コロナウイルス対策本部」により随時内容を更新しております。

現在、一部常駐型プロジェクトにおいて在宅勤務や自宅待機等の要請による稼働工数の減少や新規開発案件の延期等が経営会議等で報告されております。現時点で当社に及ぼす影響及び当感染症の終息時期を予測することは困難なものの、経営会議に報告された情報や当社の取引先企業やパートナー会社の経営層、その他外部から得た情報等から、当社として2020年度第2四半期頃にはソフトウェア開発等に係る事業活動は回復するとの想定に基づき、2021年3月期の業績予想を見直し、取締役会での承認を経て2020年5月15日に公表しております。また、当社主要取引先が大手金融機関であること等も踏まえて2021年3月末時点での財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響を検討した結果、いずれについても影響は軽微であるとの判断をしております。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症が拡大もしくは長期化し、予期せぬ事態が発生した場合については、当社の業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

事業内容 / ビジネスモデル

 

3 【事業の内容】

当社は、ソフトウェア開発、コンピュータ運用管理等を主な内容とする事業を行っております。

当社の事業内容及び当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。

 

区分

事業の内容

ソフトウェア開発

保険・証券・銀行など金融系ユーザ及び通信業向けを中心としたソフトウェア開発業務を行っております。

情報システムサービス等

ユーザのコンピュータの運用管理業務等を行っております。

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 

 

決算(通期)
【第49期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)】

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

また、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」の記載にありますように、当社では報告セグメントは「ソフトウェア開発」のみとしていることから、売上高については記載しておりますが、その他の状況については記載を省略しております。

 

① 経営成績

当事業年度における日本経済は、雇用・所得の改善が続くなかで緩やかな回復が続いたものの、米中貿易摩擦、英国eu離脱問題などの海外経済への影響に加え、新型コロナウイルスの感染拡大により先行きが一層不透明な状況にあります。

当社が属する情報サービス業界におきましては、特定サービス産業動態統計(2020年2月分確報)によると売上高は前年同月比4.4%の増加、受注ソフトウェアにおけるシステムインテグレーションは同5.3%の増加となりましたが、it技術者不足は依然として解消しておらず、システム開発要員の確保は非常に厳しい状況が続きました。

このような環境のもと、当社は当事業年度を初年度とする中期事業計画(2019~2022年度)をスタートさせ、①トラディッショナルitビジネス(si事業の維持、拡大)、②デジタルitビジネス(デジタルビジネスへの挑戦)、③クリエイトitビジネス(サービス提供型ビジネスの構築)、④経営基盤の強化(人財確保・育成、働きがい向上、内部管理体制の強化)の4本の柱を重点戦略として取り組みました。

当事業年度の業績は、売上高は11,686百万円前期比8.7%減)、営業利益は915百万円同11.2%減)、経常利益は923百万円同11.1%減)、当期純利益は631百万円同3.0%減)となりました。

 

イ 売上高

当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ1,116百万円減少し11,686百万円前期比8.7%減)となりました。これは、非金融系分野における通信系業務の基盤系保守が増加したものの、金融系分野において大型案件が収束していくなかで新規案件の規模が中小型化したことにより減少しております。

セグメントごとの売上高は次のとおりであります。

a ソフトウェア開発

当社の中心的なビジネス領域である金融系分野は、売上高9,284百万円(前期比12.2%減)となりました。ネット証券系のフロントシステムが拡大した証券系業務は1,698百万円(同0.6%増)となったものの、大型案件の収束及び保守予算削減の影響を受けた損害保険系業務は3,729百万円(同21.5%減)、大規模開発が収束した生命保険系業務は2,613百万円(同3.0%減)、開発案件から保守案件へと移行した銀行系業務は857百万円(同11.9%減)、システム統合の中断等が発生したその他金融系業務は385百万円(同18.2%減)となりました。

非金融系分野は、売上高2,058百万円(同8.6%増)となりました。通信会社向けを中心とした基盤系保守が拡大した通信系業務は1,113百万円(同7.8%増)となりました。

これらの結果、ソフトウェア開発全体の売上高は11,342百万円同9.1%減)となりました。

b 情報システムサービス等

情報システムサービス等の売上高は343百万円前期比3.8%増)となりました。

ロ 売上総利益

当事業年度における売上総利益は、前事業年度に比べ123百万円減少し2,048百万円前期比5.7%減)となりました。主な要因は売上高の減少によります。また、売上高総利益率は前事業年度に比べ0.5ポイント増加し、17.5%となりました。売上高総利益率が改善した主な要因はpmo活動による赤字・低利益プロジェクトへのモニタリング等の効果があげられます。

 

ハ 営業利益

当事業年度における営業利益は、前事業年度に比べ115百万円減少し915百万円前期比11.2%減)となりました。主な要因は売上総利益の減少であり、販売費及び一般管理費については前事業年度に比べ減少しております。

ニ 経常利益

当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べ115百万円減少し923百万円前期比11.1%減)となりました。主な要因は営業利益の減少であり、営業外収益及び営業外費用については前事業年度並みとなっております。

ホ 当期純利益

当事業年度における当期純利益は、前事業年度に比べ19百万円減少し631百万円前期比3.0%減)となりました。

 

② 財政状態

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ108百万円減少し、10,313百万円前期比1.0%減)、総負債は、前事業年度末に比べ353百万円減少し、3,232百万円同9.9%減)、純資産は、前事業年度末に比べ244百万円増加し、7,081百万円同3.6%増)となりました。各項目別の分析等につきましては次のとおりであります。

イ 流動資産

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ270百万円減少し、9,079百万円前期比2.9%減)となりました。これは主として、仕掛品が36百万円増加し、現金及び預金が80百万円、売掛金が225百万円減少したことによります。

ロ 固定資産

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ161百万円増加し、1,233百万円前期比15.1%増)となりました。これは主として、建物が47百万円、工具、器具及び備品が47百万円、投資有価証券が73百万円、敷金が55百万円増加し、繰延税金資産が42百万円、保険積立金が19百万円減少したことによります。

ハ 流動負債

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ351百万円減少し、1,267百万円前期比21.7%減)となりました。これは主として、買掛金が105百万円、未払金が35百万円、未払費用39百万円、未払法人税等が77百万円、預り金が32百万円、受注損失引当金が34百万円減少したことによります。

ニ 固定負債

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ2百万円減少し、1,964百万円前期比0.1%減)となりました。これはその他固定負債が84百万円増加し、退職給付引当金が32百万円、役員退職慰労引当金が54百万円減少したことによります。

ホ 純資産

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ244百万円増加し、7,081百万円前期比3.6%増)となりました。これは主として、当期純利益631百万円を計上したこと、剰余金の配当により424百万円の減少があったことによります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ80百万円減少し、7,409百万円前期比1.1%減)となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は533百万円同41.6%減)となりました。主な増加要因として、税引前当期純利益923百万円、売上債権の減少額が225百万円、主な減少要因として、役員退職慰労引当金の減少額が54百万円、受注損失引当金の減少額が34百万円、たな卸資産の増加額が36百万円、仕入債務の減少額が105百万円、未払費用の減少額が39百万円、法人税等の支払額が344百万円あったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は164百万円前事業年度は5百万円の獲得)となりました。これは主に保険積立金の払戻による収入が19百万円、有形固定資産の取得による支出が121百万円、敷金の差入による支出が58百万円あったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は449百万円前期比86.4%増)となりました。これは自己株式の取得による支出が27百万円、配当金の支払額が422百万円あったことによります。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社は所要資金については原則として自己資金にて対応する方針であり、銀行からの借り入れはありません。なお、現在予定はありませんが、重要な資本的支出や当社の業容拡大・収益基盤拡大に向けたm&a等による資金需要が発生した場合、市場動向等を総合的に判断して調達方法を決定する方針であります。

運転資金については換金性に重点を置き、リスクの低い金融商品での運用を基本としておりますが、現在の金利情勢から資金のほとんどを普通預金に置いております。

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は7,409百万円となっております。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

ソフトウェア開発

11,375,609

91.3

情報システムサービス等

343,362

103.8

合計

11,718,971

91.6

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

ソフトウェア開発

11,218,004

90.3

1,567,725

92.6

情報システムサービス等

344,986

102.3

74,766

102.2

合計

11,562,990

90.6

1,642,491

93.0

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

ハ 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

ソフトウェア開発

11,342,705

90.9

情報システムサービス等

343,362

103.8

合計

11,686,067

91.3

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度(自 2018年4月1日  至 2019年3月31日

当事業年度(自 2019年4月1日  至 2020年3月31日

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社野村総合研究所

3,505,732

27.4

3,361,218

28.8

scsk株式会社

1,425,298

11.1

1,336,360

11.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

新型コロナウイルス感染症については、中国国内における経済活動の一時停止によりオフショア代替案件等の受注によるプラス要因もあり、当事業年度(2020年3月期)における当社事業への影響は軽微でありました。

しかしながら2020年4月7日に緊急事態宣言が発令される等新型コロナウイルス感染症の拡大は、経済や企業活動に広範な影響を与え始めており、一部常駐型プロジェクトにおいて在宅勤務や自宅待機等の要請による稼働工数の減少や新規開発案件の延期等が経営会議等で報告されております。現時点で当社に及ぼす影響及び当感染症の終息時期を予測することは困難なものの、経営会議に報告された情報や当社の取引先企業やパートナー会社の経営層、その他外部から得た情報等から、当社として2020年度第2四半期頃にはソフトウェア開発等に係る事業活動は回復するとの想定に基づき、2021年3月期の業績予想を見直し、取締役会での承認を経て2020年5月15日に公表しております。また、当社主要取引先が大手金融機関であること等も踏まえて2021年3月末時点での財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響を検討した結果、いずれについても影響は軽微であるとの判断のもと、各種会計上の見積り等を行っております。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。

当社の財務諸表で採用した会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の終息時期を予測することは困難ですが、当社として2020年度第2四半期頃にはソフトウェア開発等に係る事業活動は回復するとの想定に基づき、2021年3月末時点での財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響を検討した結果、いずれについても軽微であるとの判断のもと、各種会計上の見積り等を行っております。

 

イ 受注損失引当金

受注契約に係る将来の損失に備えるため、各事業年度において損失が見込まれ、かつその金額を合理的に見積ることが可能なものについては、その発生見込み額を計上しております。当初予定していなかった仕様変更や契約不適合等による追加作業が発生した場合、原価が想定以上に膨らみ当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

ロ 退職給付引当金

従業員に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、利息費用、退職率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって認識されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

ハ 繰延税金資産

繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るに当たって前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得額が減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

なお、受注損失引当金・退職給付引当金につきましては、「2 事業等のリスク (3)システム開発作業の遅延や増加について (7)退職給付債務について」の記載に関する会計処理であり、業績に重大な影響を及ぼす可能性がある事項として認識しております。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績等

当社は、金融機関向けシステムが売上高の80%を超える金融コア型経営を行っております。現在金融機関向けのシステムにおいては中小型化が進んでおり、システム開発期間の短縮傾向やit人財不足による仕入単価の上昇などプロジェクト運営が年々難しくなってきております。

そのような状況のもと当事業年度の経営成績は、売上高は11,686百万円、営業利益915百万円、経常利益は923百万円、当期純利益は631百万円となりました。

上記のほか、当事業年度における経営成績の前事業年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載しております。

ロ 財政状態の分析

当事業年度は、手狭になった本社フロアを増床しております。増床により経営方針にある持ち帰り開発用のプロジェクトルームを確保、同時に全社フリーアドレス化も行いました。またwindows10への全面移行も実施した結果、有形固定資産(建物、工具器具備品)及び投資その他の資産(敷金)が増加しております。

当事業年度末における流動資産は9,079百万円、固定資産は1,233百万円、資産合計は10,313百万円となっております。流動負債は1,267百万円、固定負債は1,964百万円、負債合計は3,232百万円となっております。また純資産合計は7,081百万円、負債純資産合計は10,313百万円となっております。

上記のほか、当事業年度における財政状態の前事業年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態」に記載しております。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ キャッシュ・フローの分析

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ80百万円減少し、7,409百万円(前期比1.1%減)となりました。

当事業年度の営業活動において得られた資金は533百万円となりました。主な要因は税引前当期純利益の減少、受注損失引当金の減少及び未払消費税等の減少によります。

投資活動においては本社オフィス増床・全社フリーアドレス化及びwindows10への移行作業の実施等により、投資活動により使用した資金が164百万円となりました。これは生産性及び社員の働きがいの向上の一環として社員がコミュニケーションを図れるフリースペースやリフレッシュスペース等、社員が率先し意見を出しながらよりよい環境を求め進めてまいりました。

また、この増床により確保したフリースペース、会議室等の増加により2020年2月末から、新型コロナウイルス感染症対策として、本社管理部門各部において分散作業を行い、各部の作業拠点を2箇所以上に分けることにより社員の感染防止対策を行っております。それにより感染者及び濃厚接触者が発生した場合でも業務を円滑に行うべく対応を図っております。

また、株主の皆様への利益還元機会の充実を図るため、当事業年度より中間配当を実施したことから財務活動により使用した資金が449百万円となりました。

 上記のほか、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

ロ 資本の財源及び資金の流動性

当社は現在、自己資金により運転資金及び設備投資等を行っております。なお、現在予定はありませんが、将来的にм&a等の大規模な投資を行う場合については、財務の健全性を考慮し最適な資金調達を行う場合があります。

ハ 経営目標の達成状況

当社は、経営目標の達成状況を判断するための客観的指標として売上高及び営業利益を用いております。目標達成のために事業部・部別に活動計画を立てて取り組んでおります。2019年5月15日に公表した業績予想と比較して、当事業年度の売上高は1,813百万円(予算比13.4%減)の減収、営業利益は214百万円(同19.0%減)の減益となりました。

 

 2020年3月期(予想)

2020年3月期(実績)

増減

増減率

売上高(百万円)

13,500

11,686

△1,813

△13.4%

営業利益(百万円)

1,130

915

△214

△19.0%

 

 

決算(直近四半期)
【第50期第1四半期(自 2020年4月1日 至 2020年6月30日)】

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

また、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」の記載にありますように、当社では報告セグメントは「ソフトウェア開発」のみとしていることから、売上高については記載しておりますが、その他の状況については記載を省略しております。

 

財政状態及び経営成績の状況
(1) 経営成績

当第1四半期累計期間における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により急速な悪化が続いており、各種施策の効果から持ち直しに向かうことが期待されるものの、依然として先行きが不透明な状況にあります。

当社が属する情報サービス業界におきましては、特定サービス産業動態統計(2020年5月分確報)によると売上高は前年同月比△4.1%と20ヶ月ぶりに減少、受注ソフトウェアにおけるシステムインテグレーションにおいては同△5.2%と3ヶ月連続減少となるなど、新型コロナウイルス感染症の影響が出始めております。今後顧客のit投資の鈍化や案件の延期等により、受注面、生産面への影響が懸念されます。当社においても、外出自粛要請等に伴う稼働率低下や案件延期等一部では影響が出ておりますが、基盤系保守やアジャイル開発案件は堅調に推移しております。また、緊急事態宣言解除後から商談は徐々に活性化してきております。

このような環境のもと、中期事業計画の4本の柱である①トラディッショナルitビジネス(si事業の維持、拡大)、②デジタルitビジネス(デジタルビジネスへの挑戦)、③クリエイトitビジネス(サービス提供型ビジネスの構築)、④経営基盤の強化(人財確保・育成、働きがい向上、内部管理体制の強化)を重点戦略として取り組んでまいりました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に対する基本方針を策定し、テレワーク、シフト勤務等により稼働率の向上を図るとともに、web会議による営業活動の活発化に取り組んでまいりました。

これらの結果、当第1四半期累計期間の業績は、売上高は2,729百万円前年同期比6.1%減)、営業利益は159百万円同10.0%減)、経常利益は165百万円同8.8%減)、四半期純利益は113百万円同8.0%減)となりました。

 

① 売上高

当第1四半期累計期間における売上高は、前年同期に比べ176百万円減少し2,729百万円前年同期比6.1%減)となりました。これは主にその他金融系業務、情報サービス系業務での売上高が伸びたものの、損害保険系業務、医療・福祉系業務の売上が減少したことによります。

セグメントごとの売上高は次のとおりであります。

イ ソフトウェア開発

当社の中心的なビジネス領域である金融系分野は、売上高2,161百万円(前年同期比5.8%減)となりました。新規案件の獲得や拡大が進んだその他金融系業務は113百万円(同23.4%増)となったものの、保守案件での体制縮小により銀行系業務は212百万円(同2.1%減)、フロントシステムに関する案件拡大は進んだものの保守案件が縮小となった生命保険系業務は638百万円(同2.5%減)、開発案件が収束した証券系業務は382百万円(同2.6%減)、大型案件の収束と保守予算削減が続く損害保険系業務は814百万円(同13.2%減)となりました。

 

非金融系分野は、売上高499百万円(同3.9%減)となりました。堅調な基盤系保守の継続とアジャイル開発案件が拡大した情報サービス系業務は110百万円(同229.5%増)となったものの、機能拡張が終了し保守業務中心となった医療・福祉系業務が54百万円(同61.2%減)となりました。

これらの結果、ソフトウェア開発の売上高は2,661百万円同5.4%減)となりました。

ロ 情報システムサービス等

情報システムサービス等の売上高は67百万円前年同期比25.8%減)となりました。

② 売上総利益

当第1四半期累計期間における売上総利益は、前年同期に比べ37百万円減少し474百万円前年同期比7.4%減)となりました。また、売上総利益率は前年同期に比べ0.2ポイント減少し17.4%となりました。

  

(2) 財政状態の分析

当第1四半期会計期間末における総資産は10,586百万円となり前事業年度末に比べ272百万円増加しております。これは主として、現金及び預金が419百万円、投資有価証券が76百万円、繰延税金資産が41百万円増加し、売掛金が268百万円減少したことによります。

また、負債合計は3,520百万円となり前事業年度末に比べ287百万円増加しております。これは主として、未払費用が387百万円、その他流動負債が49百万円、退職給付引当金が42百万円増加し、買掛金が35百万円、賞与引当金が154百万円減少したことによります。

純資産は7,066百万円となり前事業年度末に比べ14百万円減少しております。これは主として、四半期純利益113百万円を計上したこと、剰余金の配当により181百万円の減少があったことによります。これらの結果、自己資本比率は66.7%となり前事業年度末に比べ2.0ポイント減少しております。

 

経営方針

当社は、お客様に信頼され満足していただく、というお客様第一主義を設立当初から経営理念としてまいりました。

また、生命保険会社の関連会社として発足した経緯から、保険・証券・銀行などの金融系業務のお客様を主たる顧客基盤としてソフトウェア開発及び情報システムサービス等を提供しており、お客様から高い評価と厚い信頼をいただいております。

今後も金融系業務を中核とした経営を行い、情報技術の進展・変化の方向性を的確に捉え、組織的対応力の強化、人財の育成を図っていくことでお客様の経営革新を実現するソリューションを提供し、信頼や満足を得ることが、当社の中長期的な安定成長をもたらし、株主の皆様の付託に応えることに繋がると考えております。

戦略

当社は、経営基盤の充実を図りながら経営規模を拡大し、企業価値を向上していくことを経営の目標としております。

経営指標としましては、売上高総利益率20%、売上高営業利益率10%、roe15%を目指してまいります。2022年度までを計画期間とする当社の中期事業計画では売上高200億円、営業利益20億円(売上高営業利益率10%)、roe15%を目標として設定しております。

課題

(1)(2)及び(3)に記載の、基本方針、経営指標及び4カ年の中期事業計画、経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

① デジタルビジネス領域への展開

今年度の重要な戦略として、中期事業計画の②デジタルitビジネスで記載したとおり、成長力、競争力強化のためデータの利活用をベースとした新たなビジネスモデルの創出へと変革する必要に迫られております。また、先端技術の活用により既存の業務サービスが大きく変化するとともに、新たなサービス、新商品の開発が加速していくことが予想されます。このようななか、当社は拡大するデータ活用ビジネスのニーズに的確に対応し、かつ先端技術の習得を図ることで、当社の中心的なビジネス領域である金融it市場の変革に積極的に対処するとともに、金融以外の市場においてもテクノロジー視点で展開を図ってまいります。

② サービス提供型ビジネスへの展開

既存の受託開発は逓減傾向が予想され、かつソフトウェアは「作る」から「使う」へとサービスシフトが加速しております。また、技術者のリソース不足は今後も継続し、人財の確保は非常に厳しい状況となっております。そこで当社は中長期的な事業成長を図るため、労働集約型の受託開発に代表されるような人月ビジネス以外のビジネスモデルを構築する必要があり、今後、中期事業計画の③クリエイトitビジネスで記載したとおり、新たなサービス提供型ビジネスに注力してまいります。

 

(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

① 人財の育成

当社の事業は人財の能力に依存する部分があるため、成長を持続するには中期事業計画の④経営基盤の強化で記載したとおり、「個人の成長」が「組織の成長」に連動することが求められます。

近年、金融系分野におけるシステム開発において、オープン化・クラウド化の進展等により、システム開発技術は多様化、複雑化、高度化しております。一方、顧客業務を十分に理解し、要求内容を的確にシステムとして展開できる業務知識が重要になっております。これら「システム技術力」と「業務知識」に加え、事業拡大に伴うパートナー技術者の増加に対応したプロジェクトの管理・運営を円滑に遂行していくための「プロジェクトマネジメント力」の強化が一層重要になると認識しております。また、近年ai、iot、bigdata、ブロックチェーン技術及びrpa等の技術習得が必須となっており、これらの「先端技術力」習得に加え、人月ビジネス以外の新しい事業を創出するための「事業開発力」を磨いてまいります。

② コンプライアンス、セキュリティ対応の徹底

当社の経営理念である、お客様に信頼され満足していただく、を実現するためには、コンプライアンスの遵守及びセキュリティ対応の徹底は不可欠であります。個人情報の保護やセキュリティの強化につきましては、継続して各種基準、ルール、手順の見直し、改定を行いながら、最適な管理体制を確立してまいります。特にセキュリティに関してはiso27001認定による更なるセキュリティレベルの向上と顧客からの信頼向上を図り、社員及びパートナー技術者全員への教育とルールの徹底を継続してまいります。

また、当社は中期事業計画の④経営基盤の強化で記載したとおり、コンプライアンス体制の強化を図るため、2019年4月にコンプライアンス委員会を設置し、「行動推進方針及び実施計画」を策定しており、その実施を徹底してまいります。

③ 業務の効率化と働き方改革

企業の競争力強化には、複雑化した社内業務プロセスの見直しや働き方改革が欠かせません。当社は社内業務の効率化やペーパレス対応を図るべく基幹系システムの刷新を行います。また、リモートワークやweb会議等により、柔軟で多様な働き方を可能にし、中期事業計画の④経営基盤の強化で記載したとおり、「生産性及び社員の働きがいの向上」を目指し改善を図ってまいります。

 

④ 新型コロナウイルス感染症に伴う影響

新型コロナウイルス感染症については、中長期的な対策及び対応が必要となってきております。当社では、「新型コロナウイルス対策本部」を設置し、社員及びパートナー技術者の安全衛生の確保や健康への配慮を最優先に適切に対応してまいります。

現在、一部常駐型プロジェクトにおいて在宅勤務や自宅待機等の要請による稼働工数の減少や新規開発案件の延期等が経営会議等で報告されております。現時点で当社に及ぼす影響及び当感染症の終息時期を予測することは困難なものの、経営会議に報告された情報や当社の取引先企業やパートナー会社の経営層、その他外部から得た情報等から、当社として2020年度第2四半期頃にはソフトウェア開発等に係る事業活動は回復するとの想定に基づき、2021年3月期の業績予想を見直し、取締役会での承認を経て2020年5月15日に公表しております。また、当社主要取引先が大手金融機関であること等も踏まえて2021年3月末時点での財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響を検討した結果、いずれについても影響は軽微であるとの判断をしております。

新型コロナウイルス感染症は、今後デジタル化への進展を大きく加速させる可能性があります。リスクだけでなくビジネスチャンスへと繋げられるよう準備をすすめ、最善の経営を行ってまいります。

沿革
2 【沿革】

当社は、1971年6月に東邦生命保険相互会社の10%出資関連会社、株式会社東邦計算センターとして設立され、ホストコンピュータの運用管理及びデータエントリー、ソフトウェア開発等の業務を開始しました。

その後、外部金融機関からのソフトウェア開発業務の受託を主体とした営業を行ってまいりましたが、1999年6月に東邦生命保険相互会社が経営破綻したことから、同社からの出資関係は解消され、現在は独立系it企業として営業を行っております。

 

1971年6月

株式会社東邦計算センターとして中央区銀座に設立

1975年4月

本社を渋谷区渋谷へ移転

1986年3月

本社を豊島区高田へ移転

1989年4月

社名を株式会社東邦システムサイエンスに変更

1998年9月

本社を文京区本駒込へ移転

1999年10月

株式会社ティエスエス・データ・サービスを設立

2001年12月

日本証券業協会に株式を店頭登録(現 東京証券取引所jasdaq)

2004年2月

iso9001の認証を取得

2004年4月

株式会社中野ソフトウェア・エースと資本業務提携

2005年2月

本社を文京区小石川へ移転

2005年4月

株式会社中野ソフトウェア・エースと合併

2005年12月

株式会社テムスの営業全部譲受

2007年1月

プライバシーマーク取得

2007年3月

東京証券取引所市場第二部に上場

2009年4月

株式会社インステクノの全株式取得(子会社化)

2011年4月

株式会社インステクノ及び株式会社ティエスエス・データ・サービスと合併

2014年3月

東京証券取引所市場第一部に指定

2016年6月

iso27001の認証を取得

 

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、将来にわたり会社競争力を向上させ、企業価値の最大化を目指すことが重要な株主還元であると考えております。

このような観点から、利益配分につきましては、経営基盤及び財務体質を強化すべく、内部留保の充実を図りながら、株主の皆様への安定的な配当の維持及び業績に見合った適正な利益還元を行うことを基本とし、配当性向30%を目安としております。

当社は、年2回の剰余金の配当を行うことを基本としております。

なお、当社は定款において、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定めております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当は株主総会、中間配当は取締役会であります。

上記の方針に基づき、当事業年度の配当につきまして、1株当たり25円(うち中間配当金10円)としております。

内部留保資金の使途につきましては、企業間競争力の維持・強化を図るため、将来を見据えた事業戦略に基づいた投資等に充ててまいります。

基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2019年10月31日

取締役会決議

121,158

10

2020年6月23日

定時株主総会決議

181,738

15

 

 

株式の状況
② 【発行済株式】

 

種類

事業年度末現在発行数(株)(2020年3月31日)

提出日現在発行数(株)(2020年6月24日)

上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名

内容

普通株式

13,865,992

13,865,992

東京証券取引所市場第一部

単元株式数は100株であります。

13,865,992

13,865,992

 

 

 

(5) 【所有者別状況】

2020年3月31日現在

区分

株式の状況(1単元の株式数100株)

単元未満株式の状況(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

17

20

29

27

4

3,903

4,000

所有株式数(単元)

9,739

1,176

40,112

2,244

6

85,259

138,536

12,392

所有株式数の割合(%)

7.03

0.85

28.95

1.62

0.01

61.54

100.00

 

(注) 1 自己株式1,750,111株は、「個人その他」に17,501単元及び「単元未満株式の状況」に11株含めて記載しております。

2 「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ27単元及び90株含まれております。

 

(6) 【大株主の状況】

2020年3月31日現在

氏名又は名称

住所

所有株式数(千株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%)

株式会社光通信

東京都豊島区西池袋一丁目4番10号

2,639

21.78

東邦システムサイエンス従業員持株会

東京都文京区小石川一丁目12番14号

1,117

9.22

渡邉 一彦

埼玉県飯能市

660

5.45

日本ユニシス株式会社

東京都江東区豊洲一丁目1番1号

585

4.83

篠原 誠司

埼玉県さいたま市大宮区

466

3.85

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町二丁目11番3号

342

2.82

株式会社野村総合研究所

東京都千代田区大手町一丁目9番2号

245

2.03

富士通エフ・アイ・ピー株式会社

東京都港区芝浦一丁目2番1号

234

1.93

染宮 俊伸

神奈川県川崎市宮前区

183

1.52

村上 宣夫

東京都世田谷区

130

1.08

6,603

54.50

 

(注) 1 上記のほか当社所有の自己株式1,750千株があります。

2 上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。

    日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)      200千株