業績の推移(百万円) | |||||||||
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売上高 | 営業利益 | % | 経常利益 | % | 当期利益 | % | 一株利益 | 一株配当 |
財務・CF(百万円) 2020/03/31 | |||
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総資産 | 2,451 | 営業CF | 2,307 |
純資産 | 2,393 | 投資CF | -2,349 |
自己資本比率 | 1.0 % | 財務CF | 871 |
資本金 | 567 | 現金等 | 1,526 |
四半期 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | ||||
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前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 |
累計 | 1Q | 1-2Q | 1-3Q | 1-4Q | 会社予想 | ||||
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前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 前期 | 今期 | 今期 |
以下において、当社グループの事業展開等に関するリスク要因となる可能性がある主要な事項を記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスクに該当しないと考えられる事項についても、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、以下の記載事項は特に断りがない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
2000年に認可保育所の運営に株式会社を含む多様な運営形態が認められて以降、様々な事業者がその運営に乗り出しました。子ども・子育て支援制度において、国や自治体は待機児童解消に向けて多様な支援策を講じ、各事業者は業容を拡大しております。
また、当社グループが現在運営する事業は、児童福祉法、子ども・子育て支援法、及び食品衛生法等の法規制が存在します。
当社グループは今後も国の方針に基づき、各自治体との連携を深め業容拡大に邁進してまいりますが、国や自治体の方針が変更され、補助金の削減や株式会社による保育所の開設が制限される場合、または、関連法令の制定・改廃が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループが運営する保育所の多くは、児童福祉法に基づき施設ごとに所轄する自治体宛に保育所開設の申請を行い、審査を経て許可等を受け運営されております。当社グループの運営保育所において、過去に認可等の取消事例はありませんが、今後、何らかの事由により認可等が取り消される場合や、新規施設の認可等が得られない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの事業は、認可等を受けた保育所の運営を主体とする子ども・子育て支援に関する事業であります。従って、子ども・子育て支援に関する政策や市場の動向が、グループ全体の業績に大きな影響を与える可能性があります。
厚生労働省より、2013年4月に、待機児童解消に向けた「待機児童解消加速化プラン」が公表され、多数の事業者が新規参入し保育所を開設しております。厚生労働省が発表した「h61.4.1時点保育所等整備量・待機児童数の公表について」によると、2019年4月1日現在における待機児童数は16,772人であり、待機児童数はいまだ高水準であると言えます。従って、国や自治体のその解消に向けた積極的な取り組みは今後も継続していくと考えられます。
一方で、少子化が進んでいることも事実であり、想定した園児数を確保できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、運営施設数の増加に伴い、保育士資格を有する保育士や指導員・スタッフの確保が急務となっております。このため、当社グループでは、採用活動を強化しており、人事部門の強化、社員紹介制度の構築、保育士専門の人材紹介会社からの紹介強化等の施策を実施しております。また、教育研修制度や人事評価制度の充実を図り、人材確保と離職率の低下に向けた制度の充実も図っております。
しかしながら、予定した職員数が確保できない場合、新規施設開園計画の遅延や既存施設の運営計画に支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループが開園する保育所の多くは、不動産所有者が、当社グループの保育所仕様に基づいて建設した施設を賃貸して運営しております。待機児童が多い自治体においては、その解消に向け新規保育所に対する期待も大きく、当社グループにおいても積極的に新規開園を進めていく所存であります。そのためには、新規開設候補地を短期間で探し出さなければならず、不動産開発業者や不動産所有者とのネットワークが重要となってまいります。当社グループでは金融機関や不動産開発業者等と常に必要な不動産情報が交換できる関係を構築しており、その確保に全力を尽くしております。
しかしながら、候補地選定の難航、近隣住民の反対運動の発生による開園遅延あるいは開園を断念するに至った場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、各施設の園児に対して、必要な栄養量が確保できるように献立を作成し、各施設にて調理・提供しております。そのために、食品衛生法に基づき、厳選した食材管理及び衛生管理を実施し、食中毒や賞味期限切れ食材の使用、異物混入等の事故を起こさないよう努力しております。しかしながら、何らかの理由により食の安全に関する重大な事故が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは安全な保育環境を確保し、保育の質を向上するため、施設全体について定期的に消毒を実施しており、感染症に対するマニュアルに基づいた対策を実施しております。しかしながら、新型インフルエンザやノロウィルス等の感染症が発生し、当該施設に従事する保育士やスタッフ・児童が多数感染した場合、施設運営に支障が出る可能性があります。このような場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、施設の運営に関し事故等が起こらないよう万全の体制で臨んでおりますが、万が一重大な事故やトラブルが発生した場合には、行政処分による営業停止や園児の転園等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの運営する施設は東京都・神奈川県に集中しております。このため、これらの地域において大規模な地震や火災・集中豪雨等による水害等の発生により、園児や従業員、施設の建物が被害を受けた場合、当該施設の運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、園児及びその保護者の氏名や住所等多くの個人情報を保持しております。これら顧客の個人情報の保管・取扱いについては規程に基づく管理体制を構築することに努めておりますが、万が一漏洩事故が発生した場合、顧客からだけではなく、広く社会的な信用失墜を招き、施設の運営に支障が生じる等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、施設の新規開園に関する設備資金を金融機関からの借入により調達しており、総資産に対する有利子負債合計の割合は、2019年3月期45.4%、2020年3月期35.2%と高い比率で推移しております。従って、借入金利の上昇等の金融情勢の変化、または取引金融機関の方針変更等により予定必要資金の調達が困難となり、新規施設の開園が遅延または中止となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社の代表取締役社長である中西正文は、株式会社kids smile projectの創業者及び創業以来最高経営責任者であり、中西正文の資産管理会社である株式会社エーエムカンパニーとあわせて、当連結会計年度末現在、当社株式を74.6%所有する大株主であります。また同氏の配偶者である取締役副社長土居亜由美(戸籍名:中西亜由美)についても創業以来当社グループの施設開園及び運営に携わり、副社長としての任を担っております。
両氏ともに保育業界に精通しており、施設や教育プログラム開発・経営方針・経営戦略において重要な役割を果たしております。
当社グループでは、業務運営を司る取締役に対する権限移譲や、幹部社員に対する教育・研修を徹底させることにより、両氏に依存しない経営体制を早期に構築していく所存でありますが、何らかの影響により両氏ともに、あるいは一方でも当社グループの経営を継続することが出来なくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループが運営する施設の業績が悪化し、その回復の見込みがない場合、あるいは新規開園から一定期間を経過しても業績改善の見込みがない場合、有形固定資産の減損処理が必要となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
新たに保育所等の施設を開設した場合の当社グループの経営成績に与える影響を個々の施設ごとに見ると、一般的に以下のような特徴があります。
営業損益・・・・ | 開設時には3歳~5歳児等が必ずしも定員を満たさない場合があるため、開設初年度から数年間は営業赤字になる可能性がありますが、児童年齢の持ち上がりとともに年々、改善される傾向にあります。 また、新規開設資金のうち費用処理されたものは営業費用に計上されます。 |
営業外収益・・・ | 新規開設資金のうち内装工事費等に対して自治体より補助金が交付された場合、営業外収益の「補助金収入」に計上されます。 |
このため、新規開設施設の件数増加等により、一時的に営業損益の悪化要因になる傾向がありますが、補助金収入(営業外収益)の増加要因となります。一方、新規開設施設の件数減少等は一時的に営業損益の改善となりますが、補助金収入(営業外収益)は減少いたします。
当社グループはこれまで積極的に新規開設を行っており、経営成績における新規開設の影響が大きくなっております。しかしながら、運営施設数に対する新規開設施設数の割合が減少するに伴い、今後は3歳~5歳児が定員を満たさないことによる営業損益の悪化及び新規開設に伴う開設補助金(営業外損益)の減少等の影響が徐々に緩和するものと考えられます。
自治体からの補助金により固定資産を取得した場合、税務上、固定資産の取得価額から補助金の額を控除する圧縮記帳を行うことが認められております。財務会計において圧縮記帳の方法は、補助金の額を控除した残額を固定資産に計上し毎期の減価償却も控除後の額をもとに計上する直接減額方式と、補助金を収益計上し、固定資産を取得価額で計上する剰余金処分方式とがあります。
当社グループは剰余金処分方式を採用しており、直接減額方式と比較して、新たに保育所を開設した事業年度においては補助金収入が計上されるものの、その後の減価償却費は多額に計上されることになります。当社グループでは保育所等の減価償却費を売上原価に計上し、補助金収入を営業外収益に計上しているため、減価償却費の負担等により営業損失を計上し、営業外収益の補助金収入等にて経常利益を計上しております。
なお、剰余金処分方式においても、利益剰余金と税額の計算により、税務上の効果は直接減額方式と同様となります。
当社グループにおける保育所等は4月に新規開設されるものが大部分となっております。そのため、第1四半期連結会計期間(4月~6月)において、多額の新規開設費用、補助金収入が計上される傾向にあります。
新型コロナウイルス感染症の流行が長期化した場合、自治体からの登園自粛の再要請等に伴うプレスクール一体型保育所の利用率低下による売上減少、また、当社グループの保育士等の関係者が感染した場合、保育士の必要人数を確保するための対応費用の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
回次 | 第1期 | 第2期 | |
決算年月 | 2019年3月 | 2020年3月 | |
売上高 | (千円) | 5,326,776 | 7,275,973 |
経常利益 | (千円) | 1,965,960 | 1,885,018 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | 1,272,590 | 1,175,608 |
包括利益 | (千円) | 1,272,590 | 1,175,608 |
純資産額 | (千円) | 2,615,726 | 4,726,975 |
総資産額 | (千円) | 9,075,832 | 11,525,160 |
1株当たり純資産額 | (円) | 968.38 | 1,500.28 |
1株当たり当期純利益 | (円) | 471.32 | 429.92 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | (円) | ― | 429.24 |
自己資本比率 | (%) | 28.8 | 41.0 |
自己資本利益率 | (%) | 64.3 | 32.0 |
株価収益率 | (倍) | ― | 3.5 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 2,649,452 | 2,307,046 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △2,749,224 | △2,349,213 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 86,003 | 871,490 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 696,888 | 1,526,212 |
従業員数〔ほか、平均臨時雇用人員〕 | (名) | 593 | 816 |
〔173〕 | 〔230〕 |
(注) 1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は2018年4月2日設立であり、第1期は2018年4月2日から2019年3月31日までの11ヶ月と30日となっております。
3.第1期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、新株予約権の残高がありますが、当社株式は非上場であり期中平均株価が把握できないことから記載しておりません。第2期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、当社株式が2020年3月4日に東京証券取引所マザーズに上場したため、新規上場日から2020年3月期末までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
4.第1期の自己資本利益率は、当期純利益を設立時純資産額と期末純資産額の平均額で除して算出しております。
5.第1期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載しておりません。
6.第1期及び第2期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、pwc京都監査法人の監査を受けております。
7.従業員数は就業人員であり、従業員数の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
8.当社は2019年3月28日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っており、また、2019年11月14日開催の取締役会決議により、2019年12月10日付で普通株式1株につき50株の割合で株式分割を行いましたが、第1期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。
当社グループは、子会社の経営管理を主な事業内容とする当社と認可保育所・プレスクール一体型保育所(認可外保育施設)の運営を主な事業とする連結子会社1社(株式会社kids smile project)により構成されており、次世代を担う子どもたちを育成する保育と幼児教育を主な事業として営んでおります。
当社グループは、「教育を通じて社会に貢献する」を社是とし、「保育園に、教育を」という考えのもと、保育園運営や幼児教育プログラムの開発を行っております。創業以来、幼児期の成長に必要なアクティブ・ラーニング(※1)に積極的に取り組んでまいりました。
子どもたちが社会に出る20年後、ai時代・情報化時代はより進化することが予測されております。今ない職業に就くだろう時代を生き抜くにあたり、子どもたちに必要な力は何か?どうしたらその力が身に付くのか?正解のない問いや自ら設定した課題に挑戦できる人材、創造性や高い専門性を発揮できる人材、人の感性や他者への思いやりに溢れた人材。そんな人材へと育つ基礎作りを、当社オリジナル教育プログラム「kid's prep. program」や、モンテッソーリ、レッジョ・エミリア・アプローチ等、世界の様々な教育プログラムを積極的に取り入れ、子どもたちとともに保育者も学べるプログラムを実践しております。
これからの時代を生き抜く子どもたちを育て上げる幼児教育の場としての保育園を目指しており、具体的には、認可保育所である「キッズガーデン」及び「キッズスマイル」と、認可外のプレスクール一体型保育所「kids garden prep school」の運営を通じ、「未来に輝く子どもたちを育てる」ための保育と教育サービスの提供を行っております。
当社グループの幼児教育における一貫したテーマは「非認知能力の育成」であります。
ノーベル経済学賞受賞者であるシカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授は、自身の著作「幼児教育の経済学」において「乳幼児期に非認知能力を伸ばす教育を」と提唱しております。oecd(経済協力開発機構)のレポート(oecd skills studies(2015年))においては、非認知能力(社会情緒的スキル(※2))を「フォーマル、インフォーマルな学習経験によって発達し、一生を通じて社会経済的成果に重要な影響を及ぼす個人の能力」と定義し、幼い時期の教育が人生に及ぼす影響とこの能力の重要性を提言しております。
oecdの「スターティング・ストロング」(※3)に関するレポート(oecdが2004年に発表した”starting strong curricula and pedagogies in early childhood education and care five curriculum outlines")では、アクティブ・ラーニングを軸とする教育アプローチ等(※4)を紹介し、それらを低年齢から始めることが必要であると述べております。いずれのアプローチも直接教えたり、順序立てられたものを学んだりするのではなく、子どもたちが自ら考え、行動することを重視し、絵画、音楽、ロールプレイ、論理的推論(分類、属性等)、言語(話す、書くことによる表現・説明)等の様々な分野の経験を通して、表現力や想像力を養い、物事や他者への理解を深めることの重要性を報告しております。
アクティブ・ラーニングは、わが国においても2020年度から小学校を皮切りに全面実施となる学習指導要領において「主体的・対話的で深い学び」として取り入れられております。このような教育方法は、すでに100年も前よりモンテッソーリ(※5)教育において実践されております。
※1 「アクティブ・ラーニング」とは、習得・活用・探究という学習プロセスを通じて、問題発見・解決に取り組み、他者との協働を通じて自らの考えを広げ、粘り強く取り組み、自らの学習活動を振り返って次につなげる学びの方法です。
※2 "skills for social progress the power of social and emotional skills"というレポートにおいて、「学びに向かう力、人間性等」が「社会情緒的スキル」に相当すると考えられています。同レポートでは、「社会情緒的スキル」を「(a)一貫した思考・感情・行動のパターンに発現し、(b)フォーマルまたはインフォーマルな学習体験によって発達させることができ、(c)個人の一生を通じて社会経済的成果に重要な影響を与えるような個人の能力」とし、①目標の達成、②他者との協働、③感情のコントールという3つの領域に分類しています。これらの分類の具体的なものとして、「忍耐力・自己抑制・目標への情熱」は「目標の達成」、「社交性・敬意・思いやり」は「他者との協力」、「自尊心・楽観性・自信」は「感情のコントール」にそれぞれ属するものとして挙げられています。
※3 「スターティング・ストロング(人生の始まりを力強く)」とは、oecd(経済開発協力機構)による世界各国の保育政策に関する調査を踏まえた報告書であり、その政策提言のことを指します。「スターティング・ストロング」の保育観・幼児教育観は、子どもを「未来の労働力」と考え「乳幼児期を未来への準備期」と捉えるのではなく、「乳幼児期自体が重要な意味を持つ人生の最初の段階」と考えるものです。乳幼児期の早期段階に良質な育児環境を提供すること、また幼児教育と養護の質の向上が重要であるとし、保育及び幼児教育への重点的な投資が必要であることを提言しています。
※4 アクティブ・ラーニングを軸とする教育アプローチ等とは、就学前の子どもの発達における主要な経験と、これらの主要な経験を促進するための実践的戦略として主に、以下の5つのグループに分類し、これらを学習の目的としています。
1.クリエイティブ・プレゼンテーション(描画、ペイント、ロールプレイ、模倣、ひな型の作成)
2.言語と識字能力(個人的に意味のある経験について話す、説明する、書く、言語を楽しむ)
3.イニシアチブと社会的関係(計画する、決定する、遊びの中で問題を解決する、感情を表現する、他者に敏感になる)
4.行動と音楽(一定のビートを感じて表現する、さまざまな方法で対象物とともに動く、歌声の発達、メロディーの開発)
5.論理的推論(分類する:物事の類似性、相違点、属性を調査し、説明する/配列する:物事を比較、配置、適合、順序付けする/数の発展:比較、1対1の対応、数える/空間(感覚)の認識:形の変化、異なる遊び場における体験、空間的関係の解釈/時間の認識:開始と停止、時間的間隔、出来事の順番の予測と解説)
※5 モンテッソーリとは、イタリアの女性医学博士であるマリア・モンテッソーリが20世紀初頭に脳生理学に基づいて確立した教育法。子どもの自主性、集中力を育てると共に丁寧な所作を行うことで自信と品格を育てる教育プログラムで、教育界に最も大きな影響を与えた教育法の一つとされています。
当社グループでは前述の考えから、認可保育所においては株式会社伸芽会と共同開発した6歳までに身に付けたい5つの力「見る力」「聞く力」「話す力」「考える力」「行う力」をバランス良く伸ばし、「自立」「自主性」「想像力」の心を育み、他者への思いやり等集団生活をきちんと営むことができる子どもたちを育てるための非認知能力を育成する幼児教育プログラム「kid's prep. program」を全園で提供するとともに、一部の園ではモンテッソーリプログラムや専門講師を招いての体操プログラム等も取り入れております。
また、プレスクール一体型保育所(認可外保育施設)においては、上記「kid's prep. program」とモンテッソーリプログラムを全園で実践するとともに、レッジョ・エミリア・アプローチ(※6)といった海外発祥の非認知能力育成の幼児教育プログラムや、アート&クラフト・制作・水彩画等の感覚能力の育成、体操・空手・水泳・ダンス・リトミック等の運動能力や礼儀・規律・創造性の育成、幼稚園・小学校受験のためのプログラムや英語等の様々な教育サービスを取り入れることに加え、厳選した調味料を使った給食提供や、食育活動では旬の食材について知識を学ぶと共に実際に調理までを行う活動等を実践しております。加えて利用における新規予約・変更は全てスマートフォンアプリで完結できるシステムを導入する等、保護者の利便性向上にも取り組んでおります。
※6 レッジョ・エミリア・アプローチとは、北イタリアのレッジョ・エミリアが発祥の幼児教育法。個々の意思を大切にしながら、子どもの表現力やコミュニケーション能力、探求心、考える力等を養うことを目的として、世界中で高く評価されている教育方法です。
当社グループの事業は「幼児教育事業」のみの単一セグメントとなっており、当社グループは当連結会計年度末現在、首都圏を中心に、自治体より認可を受けた保育施設46施設、当社グループが独自に運営しているプレスクール一体型保育所4施設のほか、幼児教室1施設を運営しております。
2015年4月より「子ども・子育て支援新制度」が本格施行され、当該制度の下、公的に認可等を受けて運営される保育施設は、施設型給付費を受ける施設(認可保育所、認定こども園、幼稚園)と地域型保育給付を受ける施設(小規模保育、家庭的保育等)に区分されることとなりました。当社グループが運営する認可保育所には、施設型給付を受ける認可保育所と、小規模保育所があります。なお、各施設の概要は以下のとおりであります。
① 認可保育所(46施設):児童福祉法に基づき、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)を満たし、都道府県知事等に認可された児童福祉施設をいいます。当社グループは、国及び自治体が負担する施設型給付費を委託費として交付を受ける認可保育所を43施設運営しております。また、小規模保育所の3施設は、子ども・子育て支援新制度の下で、市区町村の認可事業として新たに創出された保育制度(6~19名定員施設)であり、利用者(保護者)からの保育料及び自治体より地域型保育給付の交付を受け運営しております。
② 認可外保育施設(4施設):児童福祉法に基づき届け出を行っているが認可を受けていない、子どもを預かる施設をいいます。また、幼稚園以外で幼児教育を目的とする施設において、概ね1日4時間以上、週5日、年間39週以上施設で親と離れることを常態としている場合も、認可外保育施設に含まれます。
認可外保育施設は、利用者(保護者)からの利用料により運営しております。
[認可保育所・認可外保育施設の事業モデル]
認可保育所・認可外保育施設については、利用者(保護者)との契約関係が異なり、その結果保育料等の収受形態も異なっております。
① 認可保育所
利用者(保護者)との直接的な契約関係と、自治体との契約関係の2つに分かれます。利用者が支払う保育料は園児の年齢や保護者の所得水準等に応じ決定されており、自治体による法定代理収受により、自治体が徴収、当社に施設型給付として支払われます。
一方、延長料金及び小規模保育所における保育料等については、利用者と直接利用契約を締結し、利用者からも徴収しております。
② 認可外保育施設
利用者(保護者)との直接的な契約関係のみであり、自治体との契約関係はないため、利用者と直接利用契約を締結し、利用者から基本保育料、延長保育料や各種サービス利用料を徴収しております。
[事業系統図]
[在籍園児数の推移]
(単位:人)
区分 | 2015年 3月末 | 2016年 3月末 | 2017年 3月末 | 2018年 3月末 | 2019年 3月末 | 2020年 3月末 |
認可保育所 (小規模保育所含む) | 112 | 355 | 569 | 1,006 | 1,688 | 2,395 |
認可外保育施設 | 146 | 151 | 162 | 246 | 294 | 310 |
計 | 258 | 506 | 731 | 1,252 | 1,982 | 2,705 |
[運営保育所数の推移]
(単位:施設)
区分 | 2015年 3月末 | 2016年 3月末 | 2017年 3月末 | 2018年 3月末 | 2019年 3月末 | 2020年 3月末 |
認可保育所(東京都) | 1 | 6 | 8 | 13 | 25 | 39 |
認可保育所(神奈川県) | ― | 2 | 2 | 4 | 5 | 5 |
認可保育所(愛知県) | ― | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 |
認可保育所 計 | 1 | 9 | 12 | 19 | 32 | 46 |
東京都認証保育所(※1) | 1 | 1 | 1 | ― | ― | ― |
小規模保育所(※2) | 1 | ― | ― | ― | ― | ― |
認可外保育施設 | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 |
幼児教室 | ― | ― | ― | ― | ― | 1 |
総合計 | 6 | 13 | 16 | 23 | 36 | 51 |
(※1) 東京都認証保育所については、2017年4月に認可保育所に移行しております。
(※2) 小規模保育所については、2015年4月から「子ども・子育て支援法」が施行されたことに伴い認可保育所として位置付けられたため、2016年3月期より認可保育所として集計しております。
なお、当社は「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。
a.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による景気対策を背景に企業収益や雇用・所得環境に改善の兆しが見られるなど、緩やかな回復基調で推移してまいりました。しかしながら、当連結会計年度末に新型コロナウイルス感染症の流行が世界的に拡大しており、極めて先行き不透明な状況となっております。
さて、当社グループが属する保育・幼児教育サービス市場におきましては、共働き世帯は年々増加しており、女性の社会進出を背景とした保育需要は増加し、待機児童問題は引き続き深刻な状況にあります。こうした保育需要増加に対応するため、政府は保育施設の整備と保育士確保のための様々な方針を示しております。また、2019年10月から幼児教育・保育の無償化が開始されたことで、これまで保育所を利用していなかった潜在需要が顕在化すると予想されており、引き続き保育・幼児教育サービス市場の拡大が見込まれております。
このような事業環境の中、当社グループは認可保育所の開設を推進し、2019年は、4月に10施設、6月に2施設、7月に1施設、10月に1施設をいずれも東京都に新規開設したほか、9月に幼児教室1施設を東京都に開設いたしました。その結果、2020年3月末における当社グループが運営する施設数は、認可保育所を東京都・神奈川県・愛知県に46施設、プレスクール一体型保育所(認可外保育施設)を東京都に4施設、幼児教室を東京都に1施設の合計51施設となりました。
以上により、当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高は7,275百万円(前連結会計年度は5,326百万円)、営業損失は323百万円(前連結会計年度は132百万円)、経常利益は1,885百万円(前連結会計年度は1,965百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,175百万円(前連結会計年度は1,272百万円)となりました。
なお、当社グループは2020年4月にも認可保育所9園を東京都に新規開園しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大防止と予防につき各自治体とも連携して対策とその実行に取り組んでおり、いずれも概ね計画通りの稼働率を達成しております。
b.資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の財政状態における総資産は、11,525百万円(前連結会計年度末は9,075百万円)となり、2,449百万円増加しました。その内訳は以下のとおりとなります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、2,545百万円(前連結会計年度末は1,486百万円)となり、1,059百万円増加しました。これは現金及び預金の増加(823百万円)及び未収入金の増加(223百万円)等があったことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、8,979百万円(前連結会計年末は7,589百万円)となり、1,390百万円増加しました。これは建設仮勘定の減少(870百万円)があったものの、建物及び構築物(純額)の増加(1,950百万円)、長期前払費用の増加(119百万円)並びに敷金及び保証金の増加(102百万円)等があったことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、3,616百万円(前連結会計年度末は3,996百万円)となり、380百万円減少しました。これは短期借入金の増加(303百万円)等の増加があったものの、1年内返済予定の長期借入金の減少(302百万円)、未払金の減少(158百万円)及び未払費用の減少(213百万円)等があったことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、3,181百万円(前連結会計年度末は2,463百万円)となり、718百万円増加しました。これは長期借入金の減少(64百万円)があったものの、繰延税金負債の増加(590百万円)及び長期前受金の増加(100百万円)等があったことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、4,726百万円(前連結会計年度末は2,615百万円)となり、2,111百万円増加しました。これは新株式発行による資本金の増加(467百万円)及び資本剰余金の増加(467百万円)、並びに親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加(1,175百万円)によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ829百万円増加し、1,526百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,307百万円(前連結会計年度は2,649百万円の増加)となりました。
主な内訳は、売上債権の増加(243百万円)及び未払費用の減少(213百万円)等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益(1,808百万円)及び減価償却費(574百万円)等による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,349百万円(前連結会計年度は2,749百万円の減少)となりました。
主な内訳は、認可保育所の新規開設に伴う有形固定資産の取得(2,348百万円)等による資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、871百万円(前連結会計年度は86百万円の増加)となりました。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出(1,406百万円)による資金の減少があったものの、短期借入金の純増額(303百万円)、長期借入れによる収入(1,039百万円)及び株式の発行による収入(935百万円)等の資金の増加があったことによるものであります。
当社グループは、幼児教育事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
前連結会計年度(自 2018年4月2日 至 2019年3月31日)
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、記載を省略しております。
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載を省略しております。
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| (単位:千円) |
顧客の名称又は氏名 | 売上高 | 関連するセグメント名 |
品川区 | 1,320,698 | 幼児教育事業 |
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、記載を省略しております。
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、記載を省略しております。
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| (単位:千円) |
顧客の名称又は氏名 | 売上高 | 関連するセグメント名 |
品川区 | 1,367,894 | 幼児教育事業 |
当社グループは、幼児教育事業の単一セグメントであり、記載を省略しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1) 経営成績等の状況
当社は、前第1四半期連結累計期間については四半期連結財務諸表を作成していないため、前年同四半期連結累計期間との比較分析は行っておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善等を背景に緩やかな回復基調が続いていたものの、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、それに対応するため企業活動の自粛や緊急事態宣言が発令され、事業者への休業要請や国民への外出自粛並びに学校等への休校要請がなされたことにより、経済活動や消費行動が制限されたことから、極めて厳しい状況で推移いたしました。また、緊急事態宣言解除後も第2波への不安や懸念は大きく、依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。
このような環境の中、女性の社会進出を背景として保育需要が増加しており、政府は保育の受け皿の拡大のために保育士の確保と処遇改善、保育所整備に更に取り組む方針を示しております。こうした政府の取り組みにより、保育所数は増加しており、保育所需要は今後落ち着くことが想定されているものの、都市部では人口流入等による保育需要の増加が続いていることから、地域により保育所の新設に対する需要は当面続くものと見込まれると考えられます。
このような状況のもと、当社グループは認可保育所の開設を推進し、2020年4月に東京都に9施設を新規開設いたしました。その結果、当第1四半期連結累計期間末における当社グループが運営する施設数は、認可保育所を東京都・神奈川県・愛知県に55施設、プレスクール一体型保育所(認可外保育施設)を東京都に4施設、幼児教室を東京都に1施設となりました。
以上により、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高2,167百万円、営業損失287百万円、経常利益は816百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は476百万円となりました。
b.資産、負債及び純資産の状況
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、10,663百万円(前連結会計年度末は11,525百万円)となり、前連結会計年度末に比べ862百万円減少しました。その内訳は以下のとおりとなります。
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、1,923百万円(前連結会計年度末は2,545百万円)となり、前連結会計年度末に比べ622百万円減少しました。これは現金及び預金の減少(362百万円)及び未収入金の減少(167百万円)等があったことによるものであります。
(固定資産)
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、8,739百万円(前連結会計年度末は8,979百万円)となり、前連結会計年度末に比べ239百万円減少しました。これは建物及び構築物(純額)の増加(1,066百万円)、長期前払費用の増加(95百万円)並びに敷金及び保証金の増加(90百万円)等があったものの、建設仮勘定の減少(1,553百万円)等があったことによるものであります。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、2,026百万円(前連結会計年度末は3,616百万円)となり、前連結会計年度末に比べ1,590百万円減少しました。これは短期借入金の減少(1,677百万円)及び1年内返済予定の長期借入金の減少(71百万円)等があったことによるものであります。
(固定負債)
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、3,418百万円(前連結会計年度末は3,181百万円)となり、前連結会計年度末に比べ236百万円増加しました。これは長期借入金の減少(110百万円)等があったものの、繰延税金負債の増加(327百万円)等があったことによるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、5,218百万円(前連結会計年度末は4,726百万円)となり、前連結会計年度末に比べ491百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加(476百万円)等があったことによるものであります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。
(4) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間中の設備投資については、2020年7月以降開園の施設への設備投資が主となり、総額14百万円の投資を実施しました。
(5) 従業員数
連結会社の状況
当第1四半期連結累計期間において、当社グループは業容の拡大に伴い、幼児教育事業において179名増加しております。
なお、従業員数は就業人員数であります。
区分 | 当期首残高(千円) | 当期末残高(千円) | 平均利率(%) | 返済期限 |
短期借入金 | 2,106,207 | 2,409,258 | 0.658 | ― |
1年以内に返済予定の長期借入金 | 864,625 | 561,896 | 0.976 | ― |
1年以内に返済予定のリース債務 | 1,549 | 17,926 | ― | ― |
長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く) | 1,153,363 | 1,088,891 | 0.876 | 2021年4月26日~2026年9月30日 |
リース債務(1年以内に返済予定のものを除く) | 2,753 | 62,480 | ― | 2021年4月6日~ 2026年2月25日 |
合計 | 4,128,498 | 4,140,452 | ― | ― |
(注) 1.「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
2.長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く)の連結決算日後5年内における1年ごとの返済予定額の総額
区分 | 1年超2年以内(千円) | 2年超3年以内(千円) | 3年超4年以内(千円) | 4年超5年以内(千円) |
長期借入金 | 428,461 | 324,354 | 248,134 | 46,875 |
リース債務 | 17,808 | 17,014 | 17,084 | 10,573 |
当社グループは「私たちの使命」として以下の二つを掲げています。
・教育を通じて社会に貢献する。
・未来に輝く子どもたちを育てる。
この使命を果たすにあたり、「私たちの約束」として「共に育つ」を掲げております。
これは職員・保護者・子供たちが共に育つ環境を整え、実践していくことが「私たちの使命」の達成に不可欠であると考えるからです。
当社グループの企業ビジョンは以下の二つです。
① 教育を通じて社会に貢献し、「世界中の人々から最も必要とされる教育関連企業グループ」を目指します。
国内においては外国人の方にも選ばれる園を目指します。国外においても当社の幼児教育サービスを提供することを目指していきます。
② 一人一人に寄り添うサービスを通じて、未来に輝く子どもたちを育てていきます。
この実現に向け、最先端の教育理論とテクノロジーに、上質なデザインを重ね合わせて、最も優れたサービスモデルを構築します。
具体的には実際に施設を利用・使用する子どもたち、保護者、職員の機能性に加え、感性に寄り添うデザインを施しております。従来の保育施設に比べ彩り豊かなライティングや壁紙、また施設内の照度を高めに設定した照明計画により明るさと暖かさを兼ね備え、子どもに加え大人たちもが穏やかな気持ちで過ごすことのできる空間を目指しております。
また認可外保育施設においては、前日正午まで新規予約・変更を行うことのできる仕組みをはじめ、保護者様の利便性という点からも優れた選ばれるサービスモデルを追求してまいります。
また、レッジョ・エミリア・アプローチや非認知能力育成のプログラム開発等常に最新の幼児教育理論を導入してまいりましたが、今後もその研究・実践を継続してまいります。保育現場の安全性・保育の質の向上、利用者様にとっての利便性向上、保育士の働き方改革等を目的に業務支援ictツールをはじめ最新テクノロジーも積極的に導入してまいります。
上質なデザインは園児の成長のみならず、保護者・保育者の満足度、当社や園のブランディングにも寄与していくものと考え丁寧に取り組んでまいります。
当社グループは、企業価値の増大を図っていくための成長性・収益性の経営指標として、以下の項目を重視しております。
施設数
売上高
経常利益
売上高経常利益率
事業活動の全体の成長の指標となる施設数及び売上高、また事業活動の成果及び収益性を示す経常利益を重視する指標としております。
また、当社においては、営業外収益に計上される新園開設に伴う自治体からの補助金が大きく寄与するために、特に経常利益及び売上高経常利益率を重要な指標として捉えております。
当社グループはさらなる事業拡大に向けた重要課題として以下の点に取り組んでまいります。
① 人材の確保・育成・労働環境整備による保育の質の向上
質の高い保育サービスを提供し、保育施設を継続して開設していくためには、保育士資格等を有する優秀な人材の確保が不可欠であります。
当社グループでは、通年採用活動を行うとともに、従業員の給与の改善や人事評価制度の構築・見直し、各運営施設に対する本部運営機能・管理体制の強化による現場保育士へのケア、安全管理体制、働き方改革等の徹底を推進する等働きやすい環境づくりに注力しております。
また、モンテッソーリ、前述の「kid's prep. program」をはじめとする教育プログラムの導入や、教育研修制度の充実を図り、保育の質向上に向けて取り組んでまいります。
② コンプライアンスへの取り組み
保育事業は許認可事業であります。従いまして、児童福祉法等の関連法令の遵守が事業継続の大前提であります。また、サービス利用者の個人情報を有しており、当該情報を取り扱うことも多いことから、個人情報の管理は重要なものであると認識しております。コンプライアンスの徹底が求められる中で、当社グループでは、適宜改正される法令に対応すべく、諸規定等のルールや社内管理体制を整備・徹底し、役職員全員に対する研修等により、日常的にコンプライアンスに対する意識を高め、適正に業務を遂行してまいります。
③ 収益基盤の多様化
当社グループの運営する施設の多くは国や自治体からの補助金を基盤として運営されており、事業が安定的に推移する一方、政策や制度変更の影響を受け易い傾向があります。一方、幼児教育無償化により可処分所得の増加による影響も伴い民間教育サービスの市場は拡大すると見込んでおります。このような環境を踏まえ当社グループでは、補助金に頼らない民間教育サービスの展開に重点を置き、既存のプレスクール一体型保育所のノウハウやブランド力・知名度を活かした学童やインターナショナルスクール等新サービスの展開・海外展開・フランチャイズ化・他社とのアライアンス等収益基盤の多様化に取り組んでまいります。
④ 認可保育所開園用不動産の確保
当社グループが開園する認可保育所は、不動産所有者から土地や建物を賃借いたします。自治体のニーズや保護者の期待に応えられる候補地を短期間で探し出すためには、不動産開発業者や不動産所有者とのネットワークが重要になってまいります。当社グループでは金融機関や不動産開発業者等と常に必要な不動産情報が交換できる関係を構築しており、金融機関は取引実績によるものから、不動産開発業者とは過去の成約実績からその関係を強固なものにしております。今後におきましても、広域での不動産情報の入手のため、関係強化に努めてまいります。
◇ 新型コロナウイルス感染症の影響及び対応
新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大する中、当社グループは運営する認可保育所、プレスクール一体型保育所及び幼児教室において、より良い幼児教育サービスの提供と共に、社会福祉の重要な拠点としてその事業を確実に継続することができるよう、お子様そして保護者様の安全を第一に考え、また従業員が安心して働けるよう、各自治体とも連携して対策とその実行に取り組んでおります。4月の政府による緊急事態宣言発令後は臨時休園または規模を縮小しての開園を実施する一方、本部においてはそれ以前より在宅勤務や時差出勤を実施するなど対策を講じております。
なお、認可保育所は毎月月初の在籍園児数に応じて補助金が交付される制度となっており業績に与える影響は軽微でありますが、当社グループでは、財務の健全性を図りつつ、保育所等の開設に必要な資金についても安定的に調達するために財務基盤の安定性確保に努めております。
今後「ウィズコロナ」の取り組みは長期に渡ることが想定されます。安全・安心志向、働き方改革、デジタルシフト等、生活様式にも大きな変化が見込まれます。また、緊急時においては特に医療・交通・金融・警察・消防・社会福祉等の社会生活を維持するうえで必要なサービスに従事している保護者の方に保育・幼児教育等を提供することについても、ますます重要になってまいります。
当社グループは、お子様、保護者様、取引先、従業員の安全・安心確保の取り組みの徹底、働き方改革の推進による従業員の雇用の安定化を図ると共に、オンラインコミュニケーションツール等を活用した保育・幼児教育サービスの提供等、新しい生活様式に対応した事業展開により企業価値の向上に取り組んでまいります。
当社は、2018年4月2日の株式移転により、株式会社kids smile projectの完全親会社として設立されたため、当社の沿革については、株式会社kids smile projectの沿革に引き続き記載しております。
年月 | 概要 |
2008年12月 | 東京都世田谷区深沢に託児所、保育所その他保育施設の経営を事業目的として、株式会社kids smile project(資本金27百万円)を設立 |
2009年5月 | 東京都世田谷区に当社初となるプレスクール一体型保育所を1園開園 |
2012年7月 | 東京都港区にプレスクール一体型保育所を1園開園 |
2014年4月 | 東京都文京区に当社初となる認可保育所を1園、東京都目黒区に小規模保育所を1園開園 本社を東京都世田谷区深沢から東京都港区南麻布に移転 |
2014年6月 | 東京都武蔵野市に当社初となる東京都認証保育所を1園開園、東京都港区にプレスクール一体型保育所を1園開園 |
2015年4月 | 東京都目黒区の小規模保育所を小規模認可保育所に移行、神奈川県川崎市に認可保育所を1園、小規模認可保育所を1園、東京都大田区に小規模認可保育所を1園、愛知県名古屋市に小規模認可保育所を1園開園 |
2015年7月 | 東京都品川区に認可保育所を1園、東京都大田区に認可保育所を1園開園 |
2015年9月 | 東京都豊島区に認可保育所を1園開園 |
2016年4月 | 東京都小金井市に認可保育所を1園、東京都世田谷区に認可保育所を1園、愛知県名古屋市に認可保育所を1園開園 |
2016年6月 | 本社を東京都港区南麻布から東京都港区麻布十番に移転 |
2016年12月 | 東京都目黒区の小規模認可保育所を認可保育所に移行 |
2017年4月 | 東京都武蔵野市の東京都認証保育所を認可保育所に移行、神奈川県横浜市に認可保育所を2園、東京都品川区に認可保育所を2園開園 |
2017年5月 | 東京都渋谷区にプレスクール一体型保育所を1園開園 |
2017年10月 | 東京都北区に認可保育所を1園開園 |
2017年11月 | 本社を東京都港区麻布十番から東京都品川区西五反田に移転 |
2017年12月 | 東京都中野区に認可保育所を1園開園 |
2018年4月 | 東京都墨田区に認可保育所を1園、東京都品川区に認可保育所を4園、東京都世田谷区に認可保育所を1園、東京都豊島区に認可保育所を1園、東京都足立区に認可保育所を2園、東京都小金井市に認可保育所を1園、東京都三鷹市に認可保育所を1園、神奈川県横浜市に認可保育所を1園開園 株式移転により、当社(資本金100百万円)を設立し、株式会社kids smile projectを完全子会社化 |
2018年6月 | 東京都中野区に認可保育所を1園開園 |
2019年4月 | 東京都墨田区に認可保育所を2園、東京都杉並区に認可保育所を2園、東京都中野区に認可保育所を1園、東京都江東区に認可保育所を2園、東京都小金井市に認可保育所を1園、東京都足立区に認可保育所を1園、東京都新宿区に認可保育所を1園開園 |
2019年6月 | 東京都中野区に認可保育所を1園、東京都北区に認可保育所を1園開園 |
2019年7月 | 東京都豊島区に認可保育所を1園開園 |
2019年9月 | 東京都渋谷区に幼児教室を1園開園 |
2019年10月 | 東京都目黒区に認可保育所を1園開園 |
2020年3月 | 東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場 |
2020年4月 | 東京都江東区に認可保育所を3園、東京都葛飾区に認可保育所を1園、東京都足立区に認可保育所を3園、東京都品川区に認可保育所を1園、東京都国分寺市に認可保育所を1園開園 |
当社は、財務基盤の強化と事業の持続的な拡大・成長を目指していくために、まずは内部留保の充実が重要であると考え、当連結会計年度は配当を実施しておりません。しかしながら、株主への利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、今後の経営成績及び財政状態、配当性向に加え、事業・投資計画、事業環境等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりつつ配当について検討していく方針であります。
内部留保につきましては、企業体質の強化及び将来の事業展開のための財源として有効に活用していく所存であります。
当社の剰余金の配当は期末配当の年1回を基本としており、配当の決定機関は取締役会であります。また、当社は会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。なお剰余金の配当基準日は、期末配当は毎年3月31日、中間配当は毎年9月30日とする旨を定款に定めております。
種類 | 事業年度末現在発行数(株)(2020年3月31日) | 提出日現在発行数(株)(2020年6月25日) | 上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 | 内容 |
普通株式 | 3,150,000 | 3,172,000 | 東京証券取引所マザーズ | 完全議決権株式であり、権利内容に何らの制限のない当社における標準となる株式であります。なお、単元株式数は100株であります。 |
計 | 3,150,000 | 3,172,000 | ― | ― |
(注) 提出日現在の発行数には、2020年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。
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| 2020年3月31日現在 | ||
区分 | 株式の状況(1単元の株式数 100株) | 単元未満株式の状況(株) | |||||||
政府及び地方公共団体 | 金融機関 | 金融商品取引業者 | その他の法人 | 外国法人等 | 個人その他 | 計 | |||
個人以外 | 個人 | ||||||||
株主数(人) | ― | 5 | 22 | 29 | 12 | 8 | 1,432 | 1,508 | ― |
所有株式数(単元) | ― | 71 | 2,054 | 15,432 | 315 | 13 | 13,611 | 31,496 | 400 |
所有株式数の割合(%) | ― | 0.2 | 6.5 | 49.0 | 1.0 | 0.1 | 43.2 | 100.0 | ― |
2020年3月31日現在
氏名又は名称 | 住所 | 所有株式数(株) | 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
株式会社エーエムカンパニー | 東京都豊島区高田一丁目36番13号 | 1,500,000 | 47.6 |
中西 正文 | 東京都豊島区 | 850,000 | 27.0 |
株式会社sbi証券 | 東京都港区六本木一丁目6番1号 | 68,900 | 2.2 |
穐田 誉輝 | 東京都港区 | 34,000 | 1.1 |
楽天証券株式会社 | 東京都世田谷区玉川一丁目14番1号 | 32,300 | 1.0 |
石原 慎也 | 東京都港区 | 26,000 | 0.8 |
一般社団法人全国水産業団体共助会 | 東京都千代田区内神田一丁目1番12号 | 25,300 | 0.8 |
松井証券株式会社 | 東京都千代田区麹町一丁目4番地 | 16,600 | 0.5 |
野村證券株式会社 | 東京都中央区日本橋一丁目9番1号 | 15,900 | 0.5 |
マネックス証券株式会社 | 東京都港区赤坂一丁目12番32号 | 15,406 | 0.5 |
計 | ― | 2,584,406 | 82.0 |
男性 6名 女性 3名(役員のうち女性の比率 33.3%)
役職名 | 氏名 | 生年月日 | 略歴 | 任期 | 所有株式数(株) | ||||||||||||||||||
代表取締役社長 | 中西正文 | 1970年9月6日 |
| (注)3 | 2,350,000 (注)6 | ||||||||||||||||||
取締役副社長 | 土居亜由美(戸籍名:中西亜由美) | 1977年7月19日 |
| (注)3 | 18,750 | ||||||||||||||||||
専務取締役 | 田上節朗 | 1955年8月6日 |
| (注)3 | 2,500 | ||||||||||||||||||
取締役 | 井上雄介 | 1981年6月12日 |
| (注)3 | 750 |
役職名 | 氏名 | 生年月日 | 略歴 | 任期 | 所有株式数(株) | ||||||||||||||||||||
取締役 | 徳光悠太 | 1988年5月13日 |
| (注)3 | ― | ||||||||||||||||||||
取締役 | 久保山路子 (戸籍名:岩﨑路子) | 1956年4月16日 |
| (注)3 | ― | ||||||||||||||||||||
監査役(常勤) | 森博司 | 1967年7月30日 |
| (注)4 | ― |
役職名 | 氏名 | 生年月日 | 略歴 | 任期 | 所有株式数(株) | ||||||||||||||||||
監査役 | 古西桜子(戸籍名:西本桜子) | 1981年3月31日 |
| (注)4 | ― | ||||||||||||||||||
監査役 | 渡辺拓也 | 1976年8月31日 |
| (注)4 | ― | ||||||||||||||||||
計 | 2,372,000 |
(注) 1.取締役徳光悠太、久保山路子は、社外取締役であります。
2.監査役森博司、古西桜子、渡辺拓也は、社外監査役であります。
3.取締役の任期は、2020年3月期に係る定時株主総会の終結の時から2021年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4.監査役の任期は、2019年9月24日開催の臨時株主総会終結の時から選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。
5.取締役副社長土居亜由美は、代表取締役社長中西正文の配偶者であります。
6.代表取締役社長中西正文の所有株式数は、議決権の過半数を保有する資産管理会社が所有する株式数を含めた実質所有株式数を記載しております。
7.監査役東葭新氏は2020年2月18日付で、監査役扇谷広志は2020年6月24日付で辞任いたしました。