事業領域
システム開発及びその関連サービスの単一セグメント
3つのカテゴリー
(1)ソリューションカテゴリー
相対的に安定したベースロード的な利益体質の事業基盤
(2)半導体カテゴリー
半導体工場内システムの運用・保守を支援する安定分野
(3)先進技術ソリューションカテゴリー
高度なソフトウエア技術により新市場を創出する成長分野
(1)ソリューションカテゴリー
・大手企業顧客向けの請負(開発・運用保守)。キオクシアグループ、東芝グループ、日立グループならびにその他取引先等。
・産業領域に特化せず製造業、サービス業など様々な業種がターゲット。
・売上比で「請負(開発・運用保守):派遣=3:1」の割合。
【優位性】全領域網羅型によるワンストップ対応
同社は開発だけではなく、コンサルティングから、要件定義、テスト、検証まで全てのバリューチェーンに対応しており、通常全てのバリューチェーンに対応できるのは大手のみである。同社はシステム開発後の運用や保守の社内体制も整備していることから継続契約が取れており、安定的な収益源となっている。
(2)半導体カテゴリー
・ 半導体工場内の①システム運用や②システム保守、ITヘルプデスク等半導体工場のITインフラストラクチャー運用支援を担当。顧客の工場に常駐しており工場が存続する限り安定収益が確保できる。
・ キオクシアグループ及び東芝グループ各社より受嘱。
・ 同社の前身である旧株式会社テックジャパンは、20年以上前から工場を建設する顧客に対し、安定的に人員を提供しておりその関係性とノウハウが活かされている。
・ 日本は、NAND Flashメモリにおいては、世界トップレベルの製造量を維持しており、NAND Flashメモリ工場は、年に1工場の割合で増加している。同社は今後も継続的な工場建設に対応していくとのことなので、今後も安定して収益拡大が見込めるであろう。
① 工場内システム運用サービス
顧客の日々の工場運用業務をシステム上のトラブルなくスムーズに稼働させるために、正常にシステム稼働を維持させる業務である。本サービス内のシステム監視業務は工場内セキュリティ対策において重要性が高いとされており、システム稼働状況の監視、データのバックアップ管理、不正アクセス管理・ウィルスチェック、工場内従業員のためのヘルプデスク業務などである。
② 工場内システム保守サービス
同社の技術者が顧客の工場内で稼働する生産システムや社内インフラシステム等の改良・改修や調整・修理を行う業務である。工場内で実稼働しているシステムに対して、お客様からの仕様や要望に基づき、同社の技術者が実際にプログラム上の変更や追加を行う。
【優位性】
不具合の修正やデータベースのチューニング作業等のように、不定型な不具合を運用段階から引き取り、根本解決にまで持っていくには高度なプログラミングスキルが必要とされており、同社がソリューションカテゴリーで培った全領域網羅型のノウハウが活かされている。上記2つのサービスは、顧客の工場が正常かつ安定的に稼働するためには極めて重要なライフラインと言える業務であり、顧客企業にとって当業務を他社に変更することは工場の稼働停止など大きなリスクを伴う。当サービスは同社に引き続き安定収益をもたらすであろう。
(3)先進技術ソリューションカテゴリー
・ 特徴は、ネットワーク・画像認識・画像処理・ハードウエア制御等最新の高度技術を駆使し、ソフトウエアの高機能化及び品質向上を実現する請負開発型サービス。
・ 主な業務1つ目のAIテクノロジー業務は、論文調査、論文アルゴリズムの実装・評価、アノテーションサービス。2つ目のメモリ高速化業務は、アルゴリズムレベルの最適化、ハードウエアレベルの最適化、さらには画像認識ソフトウエア開発。同業務が(1)のソリューションカテゴリーと異なる点は機械学習や画像処理・認識、統計処理等、ソフトウエア専門家による高度ソフトウエア技術が必要とされる点である。
・ 2020年11月期実績で全社売上高の4.6%と他カテゴリーと比較すると小さい。
・ ソリューションカテゴリーが同社事業の安定的な基盤の位置付けであるのに対し、先進技術ソリューションカテゴリーは、高度なソフトウエア開発力を武器に、急成長が見込まれる産業領域AI(人工知能:Artificial Intelligence)、画像処理・認識、機械学習、ロボット、自動運転等をターゲットとしており、同社の急成長を狙っており極めて重要である。
・ 高度な技術力が顧客の課題を解決する付加価値になるため、博士号又はそれに準ずる知識を有するソフトウエア技術者を積極的に採用しているという。
【差別化・拡大戦略】
同社は、スピントロニクス技術(STT-MRAM等)搭載のAIプロセッサの基本技術を所有する国立大学法人東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター(センター長 遠藤哲郎教授。 以下、CIES)との間で、共同研究を行っている。共同研究の目的は、次世代メモリの信頼性確保に向けた研究開発、及び次世代メモリのAIプロセッサ用アプリケーションソフトウエアの研究開発であり、スピントロニクス技術(STT-MRAM等)を搭載した新たなコンピュータアーキテクチャ上でのソフトウエア技術(Firmware:FWや Middleware:MW、アプリケーション)は、同社の次世代AIプロセッサ用ソフトウエア技術となり、この技術をもって、新たなソフトウエア開発業務を受託する戦略である。