ティアンドエス(株) : マザーズ(4055)

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CP(Corporate Profile)

ティアンドエス(株):4055 マザーズ 情報・通信
ポイント
【新規上場】2020年8月7日上場
【増収増益】【増収増益予想】
テーマ【AI】【ロボット】【自動運転】【メモリ高速化】【産学共同研究】【東北大学】【半導体】【メモリ】【STT-MRAM】【独占】

注目点
事業内容:「大手企業および半導体向上向けシステム開発・運用保守・インフラ構築、AI関連のソフトウエア開発」

成長エンジン:AI(画像処理、画像認識、機械学習)、ロボット、自動運転、メモリ高速化などの分野

東北大学が開発中の消費電力1/1,000を実現する世界最小のSTT-MRAMの基本ソフト(オペレーティングシステム)開発は、同社1社のみ選定されており、実用化に伴い業績の拡大が期待される。

同社が東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター(センター長は世界の半導体業界が最も注目する遠藤哲郎教授)と共同研究をしている次世代メモリMRAMは、従来メモリの消費電力 1/1,000、サイズ 1/10、スピード 100倍
用途:スマホやパソコン、監視カメラ、8Kテレビなど様々な電子機器や、IoT時代のAI、ロボット、センサー、自動運転等

東北大学からMRAMの基本ソフト(アプリケーション)開発を担うのがティアンドエス(T&S)「1社のみ」

MRAMの市場規模:2024年2,000億円、2029年4,100億円
トピックス
事業内容 / ビジネスモデル
ティアンドエスの事業は3つのカテゴリー。
   ① ソリューションカテゴリー
   ② 半導体カテゴリー
   ③ 先進技術ソリューションカテゴリー


ソリューションカテゴリー
ソリューションカテゴリーは、大手企業顧客向けの請負(開発・運用保守)が中心。
現在は、大手企業グループを中心に事業を展開しており、その経験と実績をもとに他の大手企業や中堅企業への事業開拓を実施。

半導体カテゴリー
半導体カテゴリーは工場内システムの保守運用サービスやITヘルプデスク等工場のITインフラストラクチャー運用支援全般を担当。

先進技術ソリューションカテゴリー
先進技術ソリューションカテゴリーは、高度なソフトウエア開発力を武器に、急成長が見込まれる産業領域(AI、画像処理・認識・機械学習、ロボット、自動運転、ソフトウエア高速化等)にターゲットを置くもので、当社事業の急成長を狙う事業。


システム開発及びその関連サービスの単一セグメント
事業の構成は3つのカテゴリーによる構造
1)「相対的に安定したベースロード的な利益体質の事業基盤:ソリューションカテゴリー」
2)「半導体工場内システムの運用・保守を支援する安定分野:半導体カテゴリー」
3)「高度なソフトウエア技術により新市場を創出する成長分野:先進技術ソリューションカテゴリー」

1)ソリューションカテゴリー
ソリューションカテゴリーは、大手企業顧客向けの請負(開発・運用保守)を中心としたサービスを展開。
現在は、キオクシアグループ、東芝グループ、日立グループ等の大手企業グループを対象にサービスを展開、その経験と実績をもとに他の大手企業や中堅企業への事業開拓を実施。
本カテゴリーでは、産業領域に特化せず製造業、サービス業など様々な業種のユーザ企業をターゲットとしてサービスを展開しており、請負(開発・運用保守)及び派遣の形態で提供。
その割合は、売上比で「請負(開発・運用保守):派遣=3:1」であり、請負(開発・運用保守)が主な事業モデル。
お客様の要望にお応えして、どの形態でも対応できる社内体制と人材を用意。

本カテゴリーの特徴としては、発注元を特定の業界に依存しないこと及び大手企業を取引先の軸としていること。
開発だけではなく、コンサルティングから、要件定義(注1)、テスト、検証まで全てのバリューチェーンに対応する人材を用意。
さらに、システム開発後の運用や保守の作業に従事できる社内体制を整備するよう努めておりますので、お客様から見て、ワンストップでの対応が優位性。
請負開発だけではスポット取引(単発発注)になり易いため、検証・運用・保守まで広く対応することで、継続的な受注に繋がる。
さらに、大手企業を軸にしているため、その子会社との取引にも繋がり、これらの実績と経験が、結果的に大手企業グループ以外のお客様にとって安心感となり、受注の継続と他の企業からの新規受注にも繋がっている。
このように、ソリューションカテゴリーは、大手企業とその関連会社を中心とした顧客戦略に基づき、事業領域を特定せず、コンサルティング、要件定義、設計、開発、テスト、検証までの全てのバリューチェーンを網羅し、お客様の要求する技術及び人材提供モデルに柔軟に対応しているため、安定的なサービスカテゴリーとして位置付け。

2)半導体カテゴリー
半導体カテゴリーが提供するサービスは、半導体工場内のシステム運用やシステム保守。
当社の前身である旧株式会社テックジャパンは、20年以上前から工場を建設する顧客との関係強化に努めてきており、安定的に人員を提供できる体制。
半導体工場における当社の役割は、工場内システムの保守及び運用サービスや、ITヘルプデスク等半導体工場のITインフラストラクチャー運用支援を担当、キオクシアグループ及び東芝グループ各社より受嘱。
本事業の特徴は、工場に常駐する形態で工場システムの運用や保守業務に従事、工場が存続する限り安定的に事業が継続。

① 工場内システム運用サービスは、
お客様の日々の工場運用業務をシステム上のトラブルなくスムーズに稼働させるために、正常にシステム稼働を維持させる業務。
中でもシステム監視業務は工場内セキュリティ対策において重要性が高く、システム稼働状況の監視、データのバックアップ管理、不正アクセス管理・ウィルスチェック、工場内従業員のためのヘルプデスク業務など。
お客様が滞りなく安心して工場システムを利用するためには、日々継続的にシステムをチェックする当社の役目は極めて重要。

② 工場内システム保守サービスは、
当社の技術者がお客様の工場内で稼働する生産システムや社内インフラシステム等の改良・改修や調整・修理を行う業務。
工場内で実稼働しているシステムに対して、お客様からの仕様や要望に基づき、当社技術者が実際にプログラム上の変更や追加を加えることで、お客様の要望に応える。
特に、不具合の修正やデータベースのチューニング(注2)作業等のように、不定型な不具合を運用段階から引き取り、根本解決にまで持っていくには高度なプログラミングスキルが必要であり、当社がソリューションカテゴリーで培った全領域網羅型のサービス体制が生きる分野。

上記2つのサービスは、工場が稼働するためには極めて重要な業務。
したがって、工場が稼働し存続する限り安定的に継続。
今後も工場建設が継続的に行われることにより、工場の増加に伴い当社が供給する技術者数も増加し、継続的に売上が向上(*1)。

3)先進技術ソリューションカテゴリー
先進技術ソリューションカテゴリーでは、ネットワーク・画像認識・ハードウエア制御・メモリ高速化等最新の高度技術を駆使して、ソフトウエアの高機能化及び品質向上を実現するサービスを提供。
現在はAIテクノロジー業務として論文調査、論文アルゴリズムの実装・評価、アノテーション(注3)サービス、メモリ高速化業務としてアルゴリズムレベルの最適化、ハードウエアレベルの最適化、さらには画像認識ソフトウエア開発などを行っておりますが、その事業規模は、2019年11月期実績で売上高の4.8%と他カテゴリーと比較すると小さい。
そのため、さらなる事業規模の拡大を目指して、今後市場拡大が見込まれ、かつ高度なソフトウエア開発能力が必要とされる領域をターゲットに新規開拓中。
前述したソリューションカテゴリーが当社事業の安定的な基盤の位置付けであるのに対し、先進技術ソリューションカテゴリーは、高度なソフトウエア開発力を武器に、急成長が見込まれる産業領域(AI(人工知能:Artificial Intelligence)、画像処理・認識・機械学習、ロボット、自動運転、メモリ高速化等)にターゲットを置くもので、当社事業の急成長を狙うサービスカテゴリー。
本カテゴリーのサービス形態は請負開発であり、先のソリューションカテゴリーと異なる点は機械学習や画像処理・認識、統計処理等、ソフトウエア専門家による高度ソフトウエア技術が必要。
この分野は、お客様にとって容易に開発できる分野ではないため、当社の技術力がお客様の課題を解決する付加価値になる。
このため、当社では博士号又はそれに準ずる知識を有するソフトウエア技術者を積極的に採用中。



業績 / セグメント情報
【第4期事業年度】
(自 2018年12月1日 至 2019年11月30日)

売上高:2,297,249千円(前年同期比7.7%増)、
営業利益:269,706千円(同34.2% 増)、
経常利益:269,850千円(同33.3%増)、
当期純利益:184,007千円(同25.6%増)


ソリューションカテゴリー
既存顧客からの継続案件及び追加案件、並びに新規顧客の開拓により売上が増加。
売上高:1,884,172千円(前年同期比2.9%増)

半導体カテゴリー
半導体工場を有する大手企業からの業務受託を目的として、2019年7月に北上事業所を 開設し、人材供給の拡大を実施。
売上高:303,253千円(前年同期比29.4% 増)

先進技術ソリューションカテゴリー
AI市場を中心とした新規案件を獲得するとともに、2019年7月より東 北大学との共同研究を開始し、将来への事業基盤作りを実施。
売上高:109,824千円(前年同期比61.3%増)








特色
卓越した営業利益率の高さ
業界平均:約6.98%(2019年現在)
T&S社:14.83%(2020年上半期実績)

理由
その1)派遣社員のローテーション化
その2)長い契約期間
その3)高い受注単価

強み
強み
その1)業務の一気通貫力
その2)将来性の高い分野に特化
その3)唯一無二の卓越した技術力
直近実績
第5期 第2四半期 累計期間
(自 2019年12月1日 至 2020年5月31日)

売上高:1,110,500千円、
営業利益:164,693千円、
経常利益:167,694 千円、
四半期純利益:112,890千円


「ソリューションカテゴリ ー」
主要得意先からの受注が順調に推移したことに加え、新規の受注が寄与。
ソリューションカテゴリー 売上高:892,095千円

「半導 体カテゴリー」
主要得意先からの受注が順調だったことに加え、エンジニアの単価改訂による売上増加が寄与。
半導体カテゴリー 売上高は:69,237千円

「先進技術ソリューションカテゴリー」
新たに大手メーカとの取引を開始し、AI関連案件の受注が増加。
先進技術ソリューションカテゴリー売上高:49,167千円



キャッシュ・フローの状況
第4期事業年度
(自 2018年12月1日 至 2019年11月30日)

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)
その他の流動資産の増加、法人税等の支払、長期借入金の返済による支出等の要因により一部相殺されたものの、税引前当期純利益が269,850千円(前年同期比33.3%増)と増加したこと等により、前事業年度末に比べ122,539千円増加し、当事業年度末には323,177千円。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は168,033千円(前年同期比11.8%増)。
法人税等の支払額86,849千円、その他の流動資産の増加額53,050千円等による支出があったものの、税引前当期純利益269,850千円、その他の流動負債の増加額42,528千円等があったことによるもの。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,056千円(前年同期比91.6%減)。
有形固定資産の取得による支出885千円によるもの。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は44,438千円(前年同期比41.7%減)。
長期借入金を繰上げ返済したことによる支出44,438千円。
戦略
(1) 経営方針
経営理念
「あらゆる産業において、ソフトウエア技術が生み出す新たな付加価値を通じて、お客様に安心と満足そして豊かさを提供すると共に、社員を大切にし、株主様に貢献する」
この企業理念を基本とし、高度なソフトウエア技術力によりお客様の課題を解決し、お客様の製品や商品・インフラ開発を支援。
社員全員が当社を愛し、自ら成長し続ける会社環境を提供し、社員一人ひとりが希望とやりがいが持てる会社を実現。
地域社会と共に発展できる地域のコア企業としての役割を目指す。

(2) 経営戦略等

①ソリューションカテゴリー
大手企業とその関連会社を中心とした顧客戦略に基づき、事業領域を特化せず、開発バリューチェーン全体を網羅し、お客様の要求する技術及び人材提供モデルに柔軟に対応。

②半導体カテゴリー
日本における半導体産業は1980年代から1990年代に比べ縮小しているものの、NAND Flashメモリ(注2)においては、世界トップレベルの製造量を維持している(*1)。
特にNAND Flashメモリ工場は、年に1工場の割合で増加しており、今後も継続的に建設されると予想。
当社は、半導体工場を有する顧客との強固な関係を維持し、安定的に人員を提供する体制を構築。
戦略:NAND Flashメモリ工場の今後の計画的な増加に対応。

③先進技術ソリューションカテゴリー
本カテゴリーは、ネットワーク・画像認識・ハードウエア制御・メモリ高速化等最新の高度技術を駆使して、ソフトウエアの高機能化及び品質向上を実現するサービスを提供。
現在はAIテクノロジー業務として論文調査、論文アルゴリズムの実装・評価、アノテーションサービス、メモリ高速化業務としてアルゴリズムレベルの最適化、ハードウエアレベルの最適化、画像認識ソフトウエア開発などを業務の中心としており、この分野での業容拡大を目指してまいります。これに加え、現在は収益化はしておりませんが、当社としての次世代AIプロセッサ(注3)用ソフトウエア技術を獲得し、他社との差異化を進めるために、以下の戦略に基づき展開中。

従来のコンピュータアーキテクチャ(注4)上のソフトウエア技術では、他社との差異化は困難。
当社は、スピントロニクス技術(注5)(STT-MRAM等)搭載のAIプロセッサの基本技術を所有する国立大学法人東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター(センター長 遠藤哲郎教授。 以下、CIES)との間で、共同研究を実施中。
当該共同研究の目的は、次世代メモリの信頼性確保に向けた研究開発、及び次世代半導体メモリのAIプロセッサ用アプリケーションソフトウエアの研究開発。
研究成果として期待されるスピントロニクス技術(STT-MRAM等)を搭載した新たなコンピュータアーキテクチャ上でのソフトウエア技術(Firmware:FWや Middleware:MW(注6)、アプリケーション)は、当社としての次世代AIプロセッサ用ソフトウエア技術となり得る。
当社は、この技術をもって、お客様からソフトウエア開発業務を受託していく方針。


対処すべき課題
①IT人材の確保
優秀な技術者の確保は、お客様のすべてのニーズをキャッチアップし会社を発展させる上で不可欠。
このため当社は、中途採用に加え継続的な新卒採用活動も強化し、優秀な技術者の確保に取り組む。
また、パートナー企業からの技術者の受け入れや地方工場へ派遣する場合の採用には、地方の教育機関と連携した就職支援を実施中。
今後は大学とのインターンシップによる優秀な人材の確保を実現する予定。

②人材の育成
人材の育成に関しては、新卒入社時に数か月に及ぶ社内教育を実施し、その後もOJTを長期にわたり実施することで優秀な技術者の即戦力化を目指す。

③高度ソフトウエア技術力の確保
今後AIや画像処理の分野において、他社との差異化を行うためには比類まれな能力の技術者がキー。
当社は、既に博士号を取得している数名の技術者を中心に、その人的チャネルを駆使して人材確保に取り組む。

④事業基盤の強化
a. 半導体NAND Flashメモリ工場:今後もネットワークサーバやスマートフォン需要の増大から国内に半導体メモリ工場が建設されると予測。
生産ラインやITシステムの開発及び運用・保守業務の拡大を図り、安定的収益基盤の確保に取り組む。

b. 大手企業:今後事業成長が期待できる大手企業からの開発案件を安定して受注できるよう取り組む。

⑤事業領域及び顧客層の拡大
ソリューションカテゴリー:当社のシェアが相対的に低い輸送・物流、医療検査機器分野への顧客層の拡大が課題。
半導体カテゴリー:安定的な拡大が見込まれるNAND Flashメモリ工場内での業務拡大が課題。
先進技術ソリューションカテゴリー:高度なAIや画像処理、ネットワーク技術を強みとした顧客層の拡大が課題。

⑥品質向上と生産性向上
品質向上において最も重要なポイントは、ユーザ要求仕様の明確化であり、開発工程の初期段階にユーザ要求仕様を確定することを徹底すると共に、基本設計書・詳細設計書・テスト仕様書作成の徹底化を図る。
プログラム製造工程においては、機能の分割と機能を共有化するための定義を明確化し、機能ごとの作業分担により生産性の向上を目指す。
さらには、優秀な技術者を雇用することで、品質及び生産性の向上を図るばかりではなく、ソフトウエア処理の高速性やプログラム不良件数のゼロ化等、信頼性の向上も同時に目指す。

⑦内部管理体制の強化
当社の継続的な発展のために内部統制システムを整備し適切に運用することが重要。
財務報告の信頼性と業務の有効性及び効率性等を確保し、違法行為や不正等が行われることなく、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるように内部管理体制の構築を図る。



業界の動向
経営環境
①ソリューションカテゴリー
近年ソフトウエアは、組込み機器やコンピュータに代表されるハードウエアの進歩と共にその需要は増大。
今後は、ITを中心にサービスや価値が再設計される時代に入る。
このため、AIや自動運転、ロボット等に搭載されるソフトウエアが、ハードウエアを決定する「ソフトウエア中心」の時代になるといわれ、益々ソフトウエアの需要が拡大すると予想。

国内ソフトウエア市場
右肩上がりの成長を持続する反面(*2)、ソフトウエア開発を支えるIT人材の不足(*3)。
日本のソフトウエア市場は益々拡大を重ね、当社のようなソフトウエアを専門として事業展開している企業の需要が益々高まっていき、一方で、IT人材をいかに獲得するかがこれらの企業の大きな課題。

②半導体カテゴリー
半導体市場は、需給バランスの影響により「半導体サイクル」といわれる好不況の大きな波が存在しますが、全体としてはプラスの成長を維持(*4)。
国内の半導体市場は2020年で3.7兆円あり(*3)、
当社調べによると、製品別半導体全市場のうち、約1/3をメモリデバイス(注7)が占め、
DRAM(注8)とNAND Flash メモリがその市場をほぼ二分(*5)。

特にNAND Flashメモリは、主にスマートフォン等の記憶デバイスとして採用されておりますが、近年のIoTによるデータ量の急激な増大に伴い今後も市場が拡大する。
NAND Flashメモリを製造しているメーカは、大きく3グループに分けられ、それぞれが市場の約1/3ずつを分け合う構造(*6)。
当社の得意先である「キオクシア(旧東芝メモリ)+WD(ウエスタンデジタル)」グループもそのひとつであり、全ての生産をキオクシアグループの国内工場で実施。


③先進技術ソリューションカテゴリー
当社が今後注力する市場である、AI(人工知能:Artificial Intelligence)、ロボット、自動運転、IoT等の新技術は、今後の企業活動で最も重要な技術と見ており、事業の成長を担う市場としては妥当。
これらのソフトウエア開発では、膨大なデータ量を必要とし、高性能なコンピュータが必要とされておりますが、従来のコンピュータ処理能力は、半導体の微細化(配線幅を細くすること)に応じて動作周波数を高めることでプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)性能を向上させてきた。

その後は1つの集積回路(LSI:Large Scale Integrated Circuit)に集積するプロセッサの数を増やす「マルチコア(注9)化」で性能を高めてきましたが、2015年頃になるとマルチコア化にも限界が見えてきた。


このような状況に対応するために、プロセッサを特定の処理向けに最適化する「ドメイン固有アーキテクチャ」という考え方が登場。
このため、米アマゾン社や米マイクロソフト社、米グーグル社といった情報技術(IT)の巨大企業が、AIやクラウドコンピューティングに特化した専用チップを開発。
しかし、AI の進化に求められるプロセッサの処理能力は、計算に使用するデータ量を指数関数的に増大させたため、専用チップ化の方法でも消費電力が高くなるといった問題が浮上し、根本的にプロセッサのアーキテクチャ(構造)を考え直さなければならない時代に入ってきた。


このことから、蓄積されたデータを中心とする「データセントリック」という新たなコンピューティングシステムが提案されている。
データセントリックにおいては、データのやり取りがスムーズに行われる新たなコンピューティングシステムと新たな半導体メモリが不可欠である。


リスクファクター
(1) 経済動向及び市場環境による影響
経済動向や情報サービス市場環境の変動により、企業の情報システムへの投資抑制、予想を超える価格競争の激化、技術革新への対応が遅れる等の事態が発生した場合、また、法律、税制、会計制度等の各種規制・制度や電力、通信等の社会基盤の変動により事業環境が悪化した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性あり。

(2) 特定顧客への依存度について
当社は、東芝グループ、日立グループ、キオクシアグループを重要顧客として長年にわたり取引を継続。
当該顧客の事業方針、経営状況等が当社の業績に影響を及ぼす可能性あり。

(3) 見積り違い及び納期遅延等の発生
案件の作業工程等に基づき必要工数やコストを予測し、見積りを行っておりますが、仕様変更や追加作業に起因する作業工数の増大により実績が見積りを超えた場合、低採算又は採算割れとなる可能性あり。
また、予め定めた期日までに顧客に対して作業を完了・納品できなかった場合には損害遅延金、最終的に作業完了・納品ができなかった場合には損害賠償が発生し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性あり。

(4) 人材の確保について
当社の事業は、技術専門性及び人間性に富んだ技術者により支えられており、優秀な人材の確保と育成及び、定着率が最も重要な命題。
人材の確保に関しては、IT開発事業の伸びからIT人材不足が懸念され中長期的に困難になることが予想される。
採用において計画どおり優秀な人材を確保できない場合や離職により技術者が大幅に減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性あり。

(5)国立大学法人東北大学との共同研究について
当社は、国立大学法人東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターとの間で、以下の共同研究を実施中。
①次世代メモリの制御ソフトウエアに関する共同研究
②次世代メモリの応用ソフトウエアに関する共同研究
当社の先進技術ソリューションカテゴリーに属する事業は、当該共同研究の成果に依存。
本研究の成果が想定どおりに進まない場合には、本カテゴリーに属する事業の業績に影響を及ぼす可能性あり。
研究成果に係る知的財産権につきましては、契約上、同法人が所有することになっておりますが、当社はその実施権について優先交渉権を有する。

(6)新型コロナウィルスへの対策について
当社は新型コロナウィルスの感染拡大を受け、役員、従業員ならびに関係者の感染リスクの軽減及び安全確保を目的として4月より在宅勤務及びフレックス勤務のコアタイム撤廃、ネットミーティングの活用を推進中。
提出日現在では、新型コロナウィルスの直接的な影響による派遣契約の打ち切りや請負契約の案件取消は発生なし。
感染の拡大等により、国民生活及び経済環境への影響が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性あり。


経営理念
経営理念
あらゆる産業において、ソフトウェア技術が生み出す新たな付加価値を通じて、お客様に安心と満足そして豊かさを提供すると共に、社員を大切にし、株主様に貢献すること。

経営方針
高度ソフトウエア技術力によりお客様の課題を解決し、お客様の製品や商品・インフラ開発を支援します。
また、社員全員が当社を愛し、自ら成長し続ける会社環境を提供し、社員一人ひとりが希望とやりがいが持てる会社を実現します。
そして、地域社会と共に発展できる地域のコア企業としての役割を目指します。
沿革
【沿革】
株式会社テックジャパン
1996年8月 ソフトウエア開発請負を目的として、神奈川県横浜市西区に設立
1998年4月 有限会社ソフトワールド(当時子会社)を設立(1999年8月 株式会社に組織変更、現社名 株式会社シャンク)
2002年3月 事業拡張のため大阪事業所を開設
2006年11月 Pマーク(プライバシーマーク)の認証を取得
2010年4月 IBM社のNotesからMicrosoft社のSharePointへの移行(脱Notes)に関する大規模プロジェクトを受注
2011年3月 メディク・クエスト株式会社の株式の一部を取得し関連会社化
2014年1月 株式会社ソフトワールド(子会社)を売却
2015年8月 株式会社シナノシステムエンジニアリングとの共同出資により株式会社ベイアット(当時関連会社)を設立
2016年5月 株式会社ミクスウェイ(当時関連会社)を設立

株式会社シナノシステムエンジニアリング
1985年3月 ソフトウエア開発請負を目的として、神奈川県横浜市港北区に設立
1993年6月 本社を神奈川県横浜市西区へ移転
1998年9月 本社を神奈川県横浜市神奈川区へ移転
2009年3月 ISO27001を取得
2012年7月 横浜市推進の「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」における「腹腔鏡下手術の術前支援機器の開発(手術シミュレータ開発)」プロジェクトに参画
2015年8月 株式会社テックジャパンとの共同出資により株式会社ベイアット(当時関連会社)を設立

ティアンドエス株式会社
2016年11月 神奈川県横浜市西区を本社、神奈川県横浜市神奈川区を横浜開発センターとして、株式会社テックジャパン、株式会社シナノシステムエンジニアリングの新設合併によりティアンドエス株式会社を設立
2017年2月 メディク・クエスト株式会社(関連会社)の保有株式の全てを譲渡
2017年4月 株式会社ミクスウェイ(関連会社)の保有株式の一部を売却
2017年5月 株式会社ベイアット(関連会社)を清算
2017年11月 業務効率化を目的とし横浜開発センターを本社へ統合
2018年3月 ISO27001をティアンドエス株式会社本社にて取得
2018年6月 三重県四日市市に四日市事業所を開設
2019年7月 岩手県北上市に北上事業所を開設
2019年7月 東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターとの共同研究契約締結


その他
【新規上場】2020年8月7日上場【増収増益】【増収増益予想】テーマ【AI】【ロボット】【自動運転】【メモリ高速化】【産学共同研究】【東北大学】【半導体】【メモリ】【STT-MRAM】【独占】

【研究開発活動】

研究開発は先進技術ソリューションカテゴリーの基礎研究となっており、研究開発費の総額は12,081千円。
当社は国立大学法人東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター(以降、CIES)と共同研究を進めており、2つのテーマの研究開発を実施中。

当社の研究開発は次世代半導体メモリとAIの融合をテーマ。
現在CIESで研究開発されている次世代半導体メモリは、世界トップレベルの技術であり(*1)、これを搭載したマイコンやAIプロセッサの消費電力は、従来のプロセッサに比べ性能を落とすことなく1/100~1/1,000に低減できるという実績が報告されている(*2)。
近年、自動運転・画像処理・IoT機器・ロボット産業といった分野の急成長には、低消費電力化が不可欠。
CIES の次世代メモリ及びそれを搭載したチップの研究成果は、上述した分野の実現に大きく貢献することが期待されている。
CIESの取り決めにより、共同研究への参加企業は「1業種1社」とされており、当社はこの研究活動の中で、特にこれらに関連したソフトウエアの研究開発全般を担当。
まず初期のフェーズでは、下記のテーマを中心に研究開発活動を実施。

(1) 次世代半導体メモリの信頼性確保に向けた研究開発
半導体メモリはデータ書き込み時にエラービットが発生することがあるため(デジタル記録において、データを構成するビットが伝送・再生などの過程で損傷を受け、ビットが反転する)、メモリの信頼性を高めるエラー訂正は、次世代半導体メモリの製品化に必要不可欠な技術。
当社では次世代半導体メモリに適したエラー訂正技術の開発を行っており、高可用かつハードウエア化が容易な技術の提案・実装を進め、信頼性の確保を目指す。
これまでにエラー訂正技術の調査・作成・評価を行っており、次世代半導体メモリが持つ低消費電力・高速応答といったハードウエア特性に適したエラー訂正技術を実装する準備を推進中。

(2) 次世代半導体メモリのAIプロセッサ用アプリケーションソフトウエアの研究開発
自動運転や産業用機器、IoT機器に搭載されるAIプロセッサは消費電力が少なく応答が速いことが期待されておりますが、現状ではまだ開発途上のステージ。
消費電力と応答に優れた次世代半導体メモリをAIプロセッサに搭載することで、これまでの機器よりもさらに省エネ・小型化・高機能化を実現することが可能。
当社では、次世代半導体メモリを搭載した次世代AIプロセッサを用いた研究開発・実用化を促進させるために、次世代半導体メモリの特性や性能を活かしたファームウエアならびに、AIアプリケーションソフトウエアの設計・開発を進め、企業がAIアプリケーションボードを使って手軽に評価・開発ができる環境の提供を目指す。
これまでに、基礎研究としてAIプロセッサの性能と消費電力の調査、AIアルゴリズムの調査を行っており、ファームウエア・アプリケーションソフトウエア開発の準備中。

*1 CIESは、世界初となる各実証に成功しており、世界トップレベルの技術を有している。
・「スピントロニクス技術とCMOS技術の融合により、スピン軌道トルク型磁気トンネル接合(SOT-MTJ)素子を用いた不揮発メモリ(SOT-MRAM)チップの試作・実証に初めて成功」(2020年6月16日)

「スピントロニクス技術とCMOS技術の融合により、スピン軌道トルク型磁気トンネル接合(SOT-MTJ)素子を用いた不揮発メモリ(SOT-MRAM)チップの試作・実証に初めて成功」(2020年6月16日)

・「4重界面磁気トンネル接合素子(Quad-MTJ)の材料・デバイス技術の開発により、工業製品化されている従来の2重界面磁気トンネル接合素子(Double-MTJ)では困難であった車載スペックでの10年以上のデータ保持特性を維持しながら、1)10ナノ秒(ns)の高速書き込み動作と、2)21%の低消費電力動作と、3)1011回以上の高書込み耐性の同時達成を世界で初めて実証(2020年6月15日)また、第14回産学官連携功労者表彰で、CIESの研究成果が「内閣総理大臣賞」を受賞。

*2 「日経エレクトロニクス」2020年6月号 P28~38 日経BP社
基本情報
会社名
ティアンドエス株式会社

設 立
2016年11月1日

資本金
74,120,280円

代表取締役 執行役員 社長
武川 義浩

従業員数
265名(2020年6月時点)

所在地
[ 本社 ]
〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい 3丁目6番3 MMパークビル11階
[ 四日市事業所 ]
〒510-0086 三重県四日市市諏訪栄町 4‐10 アピカビル4階
[ 北上事業所 ]
〒024-0061 岩手県北上市大通り 1-3-1 北上開発ビル7階

ホームページ
https://www.tecsvc.co.jp


業績の推移(百万円)

売上高 営業利益 経常利益 当期利益 一株利益 一株配当
2017/11 1,905  0  148  109  0.0  0.00 
2018/11 2,133  0  202  146  0.0  0.00 
2019/11 2,297  0  269  184  0.0  0.00 
2020/11(1Q-2Q) 1,110  164  167  112  0.0  0.00 
財務・CF(百万円)  
総資産
純資産
自己資本比率
有利子負債
資本金
817  
455  
55.7 %  
0  
74  
営業CF
投資CF
財務CF
現金等
168  
-2  
-44  
323